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幻の中の幻

 掛けられた声に、アリィは表情を変えぬまま首を小さく傾げるだけで答え、エンダーはどう答えたものかと、かりかり頬を二度ほど掻いて、

「いや、大丈夫っちゃ大丈夫なんだが……そもそもお前、何なの? ○○の連れ、なんだよな?」

 こちらに視線を向けての問いに、○○は言葉に詰まる。
 どう説明したものだろう。一から彼等に理解できるように話すと長い話になりそうで、それ以前に他人に説明出来るほど自分がサニファについて理解しているかというのも怪しい所。そんな思いが、○○の口を重くする。
 そこへ、

『ああ、それについては私から──』

 と、嬉しそうなツヴァイの声が聞こえてきたが、それを慌てて遮るようにサニファがばたばたと手を振って、

「あああ説明は自分が! 簡単に言うと、エンダー様達を救助する為に姫姉様が特別に派遣したレスキューエンジェルッス! キャースゴイッス!! ほら、これで納得しとかないと後々マズイ事に!」

「あー、納得した。凄く納得した。これ以上の説明は全く不要なくらいに納得したな!」

『…………』

 サニファとエンダーが口早に言い合いつつがっくんがっくん頷くと、サニファの口ではなく身体から、内心の憤りを無理矢理押さえ込むような、独特の呼気が響く。
 あー、怒ってるなー、と○○、エンダー、サニファの三人は何ともいえない顔でお互いを見るが、かといってツヴァイの長話を聞く気は誰にも無い。

「まぁ、ええと……取り敢えず、あれだ」

 エンダーは場に居る者達に順々に視線を送ってから、がりがりと頭を掻いて、

「状況は良く判んねーままだけど……一応これで一段落、つか一安心、って事で良いのかね?」

 戸惑い混じりの言葉に、サニファは小さな両手を無理矢理組んだような姿勢でこくこくと頷く。

「少なくとも、エンダー様達と合流出来たッスから区切りはついたッスね。という訳で、さっさと帰るッスよー。サニファ達の目的は、エンダー様達の救出なんで」

「もうかよ。ちょっとは休ませろよ」

「戻ってから休めばいいッスよ。小康状態にはなってるッスけど、まだまだまずい状況なのは変わんないッスからね。それにエンダー様は大丈夫っていってましたけど、アリィ様の手を見る限りそうでも無さそうですし」

「あ」


続く






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