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ヤマモトを誘う1

【備考】
中庭にて

 錆びた金網のフェンスを越えると、赤茶けた土とわずかな草のみが生える、何もない空間に出た。
 ここが、中庭だろうか。
 金網には『立入禁止区域』の文字が書かれたプレートが縛り付けられている。
 どことなく不穏な空気を感じるものの、禁じられた場所にしてはやけにガードが甘い気がする。
 現に、先ほど越えてきたフェンスには、有刺鉄線のひとつすらなかった。
 それがかえって、気味悪さを増幅させているのだ。

 その時、明らかに何らかの生物のものと思われる唸《うな》り声が聞こえてきた。
 ――来る。


戦闘省略


 モンスターの体が地面に倒れ、同時に砂埃《すなぼこり》が立った。
 すると、その砂埃の向こうから、僕に近づく人の影。
 そこには、おそらく50代くらいの中年男性がそこに立っていた。

 男は、労働者の割にはどこか小ざっぱりとしていて、下手すれば管理者側の雰囲気すら感じさせた。

「あなたが、僕に協力してくれる方ですよね?」

 できるだけ、単刀直入に尋ねた。
 そもそも、この立入禁止区域に立ち入っている以上、お互い怪しい立場なのだ。
 ならば、まわりくどい言い方をする必要はないはず。

「ええ、そうですね。しかし、協力するかどうかは、あなた次第ということになりますねぇ」

 そう言うと、男は胸ポケットから煙草とライターを取り出して火をつけた。 この男、 それなりに色々と蓄えていそうだ。

 工場内では、許された範囲で私物を持つことが可能だ。
 だが、その中には煙草といった嗜好品《しこうひん》や、ライターのような火器は含まれていない。
 何らかの裏ルートを持ち合わせているということだ。

「僕は何を差し上げればいいんですか?」

 僕は相手に敬意を払いつつも、できる限りシンプルに質問した。
 その方が、この相手は好むだろうと直感したからだ。

「なかなか分かってますねぇ。さすがは、我々のリーダーとなるべきお人だ。私が欲しいもの、 それは金です。金は労働の証であり、純粋なエネルギーの一形態です」

 男は煙草の火を消し、僕の目の前まで来ると、名を名乗った。

「私はヤマモトと言います。私にはトラップを作成し、敵を陥れる能力があります。 あなたが私に300zelくださるならば喜んでご協力しましょう」

 ゆっくりとした身のこなしから見るに、おそらく、戦闘能力は低いだろう。
 しかし、ヤマモトの言葉を信じるならば、それを補ってあまりあるくらいのトラップ作成能力がありそうだ。
 さて、どうしようか?


─See you Next phase─

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