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食堂にて ウィルバー


 ○○がいつものように食堂で食事をしてい ると、一人の男子生徒が近寄って、机の向か い側で立ち止まった。

「ここ、いいかな?」

 制服姿のその生徒は、長身ではないが 体格は良く、接近戦向きといった感じの 風貌と、短めに切りそろえた金髪、美形 とまでは言わないが整った顔立ちをして いた。
 誰と約束しているわけでもないので構 わないと答えると、彼は向かい側の椅子 に腰掛け、ちらちらと○○の方を見なが ら食事を始めた。

 何か用があるからそこに座ったのだ ろうに、なかなか切り出さない。とう とう○○が食事を終え、席を立とうと した時、ようやく話しかけてきたのだ った。

「な、なあ、お前メリルと知り合いなのか?」

 ○○は僅かに逡巡するが、違うと答える。

「でも、この前一緒に訓練に行ってたよな?」

 確かに一緒に行ったことはあるが、それ がなんだというのか。

「彼女、今まで一度も訓練に行った ことがなかったから。珍しいと思っ てな」

 サボりすぎどころの話ではなかったようだ。
 ○○はメリルに呼び出しを食らったのだと冗談 半分に言ってみる。すると。

「え? な、何の用だったんだ?」

ウィルバー

 やけに食い下がってくる。……な るほど。そういうことですか。
 ○○はメリルに試験をパスしたいから 手伝ってくれと頼まれたんだが、結 局、単位が足りなくて試験が受けら れなかったんだ、と適当にでっち上 げ、最後に、自分ではまだここに来 たばかりで力になれないから、君が 手伝ってやってくれないか、と付け加えた。

「そ、そうか。そうだな……。あ、俺 はウィルバー。お前、名前は? ──○○か 。なあ、○○、これから一緒に訓練に 行かないか? ちょっと予行練……、い や、俺が単位稼ぐの手伝ってやるよ」

 とても分かりやすい反応をありがとう。
 しかし、せっかくなので○○は一緒に行く約束をした。


─End of Scene─


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