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運命のラストバトル |
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〜戦闘省略〜 戦闘に勝利 消え去ったと思われた天使は、再び出現する。 ……死すらも超越した存在なのか? 天使はさらに僕の世界を激しく揺さぶった。 「なるほど、君たちは特別な存在だ。放っておけば、君たちは、ふたつの世界の均衡を破壊する。そうなる前に、ここへ来るように仕向けたのだ」 仕向けた……? どういう事だ……? 戸惑う僕たちの前に、天使の背後からある人物が現れた。 コツコツと響く靴の音が近づく。暗がりに隠れていた男の顔が差し込む光に照らされる。どこか達観した目つきのその男。 それは、僕たちが、命の恩人として感謝した仙人だった。 ――仙人と天使はグルだった。 僕が信じた世界が、音を立てて崩れさる。 仙人との出会いも、仙人の優しさも情報も、すべて、天使が仕組んだ罠だったのだ。 天使は、何かを企んでいるような表情で携帯の説明を始めた。 「この携帯のメールを受けた時の受信音と交替のサイレン。これが、ふたつの世界をつなぐ合図だ。だが、そう言われても、まだ信じられないだろう?」 天使は、仙人に向かい凍るような冷たい笑顔を見せた。 「今から証明してやろう。役目をはたして、この世界に存在する意味がなくなった人間で」 仙人は、突然、恐怖に顔を引きつらせ、腰を抜かし、倒れこんだ。 その様子を、にやにやと見つめながら天使は言う。 「元の世界へ戻ってから何が起きるかは、この世界での行動次第だ」 仙人は立ち上がる時間さえ惜しいのか、恐怖で立ち上がれないのか、芋虫のように体をひきずったまま、必死で逃げまどう。 ――ふたつの世界では、幸福と不幸の均衡が成立している。 いつか仙人自身が語ったこの世界のシステム。 その真実が、仙人を恐怖の底に墜としていた。 仙人は闇市で暴利をむさぼっていた。 間違いなく、工場の誰よりも、幸福な暮らしをしていた。 そんな仙人が元の世界に戻ったら、いったい何が起きるんだ? 残酷な笑顔を崩すことなく、天使は携帯のボタンを押した。 その時、いつものサイレンが鳴り響きはじめる。 同時に仙人の携帯からはメール受信音。 そして、けたたましいサイレンが鳴り響いた。 僕とスズはとっさに耳をふさいだ。 天使は、すぐさまメールを削除した。 同時に仙人は目の前で砂が舞い散るように消えていった。 恐怖におののく叫び声だけを残して。 不穏な絶叫の余韻に、僕の全身の毛穴が収縮した。 スズも、すくみあがって、僕の腕にしがみついていた。 人間をあっさりと処分する天使。 天使にとって人間は、世界のバランスを保つための道具でしかないのか!? 人間は、ふたつの世界と天使のルールに搾取されている。 まるで、資本家に搾取されていた、僕たちみたいに。 僕たちは、意思も希望も幸せも、持つことは許されないのか? 天使は、僕の心を読み取り、言い放った。 「安心したまえ。君達は元の世界には帰れない。 どちらの世界でも不要となった者は、ここで処分される。 私の警告を受け入れ、現実に甘んじればよかったのだ」 ふざけるな! だったら、僕がこのろくでもないシステムなんて破壊する。 そして、この手に自由を取り戻す。 労働者たちが、資本家から自由を勝ち取ったように!! そうだ!僕は命をかけて戦う。 スズとの幸せが僕の生きる理由だから! 僕は、スズがいる世界を守る、アジテーターだから!! 「世界は、おまえのものじゃない!自由を勝ち取ってみせる!」 自分を鼓舞するために、思わず叫んでいた。 天使はうれしそうに笑うと、 神々しくもおぞましい姿をさらけ出した。 「世界の均衡を壊す反逆者よ。 世界の安定のために、ここで消え去れ」 絶対天使が現れた −See you next Phase− 次回8時間更新 選択肢なし |
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