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運命のラストバトル |
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僕達が探していたサイレンを鳴らすスイッチは、
目の前で天使がひけらかしている携帯電話だったのだ。 携帯電話を手の中で、 もてあそびながら初めて会った時と同じ微笑みを浮かべて、 天使は言う。 「私は、現実世界で居場所を失った人物に、 この世界の居場所を提供した」 そして、僕はすべてを理解した。 現実の東京で起きていた“人が消える事件”について。 −−事件の犯人は、この天使であること。 −−僕も、おそらくスズも、この事件の被害者となったこと。 現実の東京で消えた人々は、 僕のように天使からメールを受け取って、 この世界に連れ込まれたんだ。 −−消えた人たちは、 空を行く“箱舟”に乗ってる。 −−この街の退屈な日常を捨てて、 今頃どこかできっと幸せに暮らしてるんだ。 −−いちばん大切な誰かと。 あの時、 僕が抱いたささやかな妄想は見事にうちくだかれた。 これで、すべての謎の断片が繋がった・・・・・・? だけど、天使自ら真相を明かしたということは、 もうひとつの意味があるはずだ。 僕たちが、この世界の真実を知ったとしても、 彼の脅威にならない。 余裕の態度で、天使は続ける。 「君たち・・・・・・選抜者は、 この世界で暮らすうちに、現実世界を忘れてしまう。 現実世界に残った肉体は、意思を失い、 やがて不遇の死を迎えるのだ」 僕たちは、現実世界で見捨てられた人間なのか? 小さな夢すら見ることのできない負け犬だっていうのか? 怒りに震える僕に向かい、天使は微笑む。 その笑顔のまま、彼はこう告げる。 「導かれる運命に抗っても無駄ということだ」 天使が現れた! −End of Scene− 次回8時間更新 選択肢なし |
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