エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集　鳥姫の巣　歌子2戦目勝利

鳥姫の巣　歌子2戦目
歌いて奏でる力[勝利]

　歌子と、彼女が従える無数のｵﾙｺﾞｰﾙ。
　それらが紡ぐ音の力の重奏、嵐のように渦巻き響く波紋の海を何とか泳ぎ切った〇〇は、深々と安堵の息をつく。

「こんな感じ。どうかな、〇〇。ちゃんと判った?」

　舞台の上、疲れきり、その場にしゃがみこんだ〇〇を覗き込むように、歌子がひょいと腰を曲げた。間近に見える彼女の赤い瞳は爛々と輝き、まだ先程の歌の興奮が残っているのか、その頬には薄く赤味が差している。

「〇〇も、歌のべんきょうをもっとすれば、きっと今のわたしみたいに歌えるよ。だから、これからも頑張ろうね!」

　無理じゃないか?　と思わず返すが、ﾃﾝｼｮﾝが妙に上がってしまっている歌子には聞こえなかったらしく、

「じゃ、次の話に進むね。ええと──」

　と、更なる講義を続けようとするのを〇〇は慌てて止めた。
　今日のところはこの辺りで勘弁してください。先刻の戦闘でもうこっちの神経がﾎﾞﾛﾎﾞﾛです。

「むー」

　〇〇の言葉に、歌子は気分を害したように唸り声。しかし、〇〇の心底疲れた様子を見て、仕方ないとばかりに表情から険を抜いた。

「……じゃあ、続きはまた今度にする。ちゃんと来てね?」

　……了解しました。

─End of Scene─