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証明、探求の資質

青い石を取得したあとエリア1から脱出したあと、次の更新でエルベスーケンに戻ったとき

「結構」

 パーチを経由して街へと戻った○○達は、 そのまま路地の奥にある日陰の宿──マイグラトリーレアに向かった。
 前回同様、あまり人気の無い建物の中。テーブルの上、 ○○達が持ち帰った青色の石を見て、店主は頷き小さくそう呟く。

「これで“試し”は終了だ。お前達は探求者としての資質ありと認められた。 改めて──ようこそ“宿木”へ。新たな探求者を我々は歓迎しよう」

 席を立った店主はテーブルを迂回して○○達の前に立ち、握手を求める。 まず○○、そしてエンダー。最後に意図を理解していないアリィの手をエンダーが掴んで強引に握手。

「さて。それじゃまず最初に、お前達の素性を簡単に教えてもらおうか。 他の“宿木”にも新しい探求者が生まれた事を伝える必要があるんでな。 少々嘘でも構いはしないが、その嘘自体を後で偽るような事はするなよ」




「……なんかめんどくさそうだな」

 渋い顔のエンダーに、店主は「何言ってんだ」と憤慨する。

「相応の特典は得られるんだから文句は言うなよ。で、お前等字書けるか? 無理ならこっちの質問に口答する形にして、その内容を俺が書面に纏めるが──」

 文字が書けるかどうかは“栞”の機能次第だが、あまり当てにしない方が良いだろう。
 首を横に振ると、店主はテーブルから何枚かの紙と筆記用の道具、更に幾つかの宝石や小袋を取り出しながら、こちらに対して幾つか質問を投げてくる。
 質問の内容は、名や性別、出身等々だが、何せこちらはこの世界の外からやってきた身だ。どう答えたものかと○○が言葉に詰まっていると、

「ああ、俺は──」

 と、横から身を乗り出したエンダーが、名と性別以外の情報を適当にでっち上げて答えて、アリィもほぼ同じだと追加。
 そして○○の方に意味ありげな視線を寄越してくる。

「…………」

 意図は伝わった。
 ○○もエンダーに合わせて、名と性別以外は彼の話に準じた形で嘘を述べた。

「ふむ」

 店主は話した内容については何も言わず、ただこちらが話した事をさらさらと紙に記載した後、別に用意していた何も書かれていない紙を幾枚か重ねて術式を使い、転写。
 そして元の一枚に封をして片付けると、転写した紙の中から一枚を引き抜いて何事かを追記してから上に三つの宝石を置き、更に術式。紙が一瞬で燃え上がり、しかし他の物には燃え移る事無く紙だけが綺麗に消失した。
 店主はテーブル上に残った宝石三つを手に取ると、用意していた小袋に石を入れて○○、エンダー、アリィとそれぞれに手渡す。

「その石が探求者の証明になる。パーチや他のマイグラトリーレアを利用するとき、後は他の公的施設等に立ち寄る時には身分証として利用可能だ。国境でもこいつを使えば宿木所属の探求者である事は証明できる──が」

 が?

「宿木間の探求者情報共有は、今活性期だから直ぐに行える。だからお前達が探求者になった事は早い段階で伝わるんだが、国境の管理は当然それぞれの国の管理下でな。お前の情報があちらに伝わり、更にそれが各国境守に行くまで時間が掛かる」

 それまでは国境を越える事は難しい、という事だろうか。
 ○○の問いに、店主は軽く顎を撫で、

「まぁ、伝わった後も用件無しじゃ国境抜けるのは難しいかもな。聖堂院には国境守で身分証明と関税さえ払っちまえばいけるが、他の国となると、宿木の方からある程度正式な要請を行って、越境認可を受けてないと門前払いを喰らうかもしれん。探求者ってのは基本、心証があまり良くないしな」

「……国境通るのってそんな厳しいのか?」

 エンダーが恐る恐るといった調子で尋ねると、店主の片眉が訝しげに上がり、

「お前ら、越境した経験ないのか? ええと、確か出身は何処っていってたか……」

「いや、あるある! ただ、俺らの時は結構楽に通らせてもらったんで、違和感があっただけだ!」

「うーん? ……ああ、まぁ慧国は他よりその辺りぬるいしなぁ。場所によってはそういうところもあるのか」

「そうそう!」

 勝手に納得した店主に、エンダーが慌てて相槌。○○が迂闊な事を言うなとエンダーを軽く睨むと、謝罪の視線が一瞬返る。
 そんな遣り取りには気づかず、店主は顎をごりごりと撫でて思案顔。

「ええと、他に話しておくことは……そうだな。探求者と一括りに纏めてはいるが、その中でも等級ってのがある。“探求者等級”。禁領内での探索実績による位分けだな。お前らは今1だ」

 階級が上がると何か良い事でもあるのだろうか。

「この階級を基準に宿木は探索計画を作成する。だから、今のお前らは等級1の探求者用に立案された計画にしか乗る事が出来ないってこった。例えば等級5以上対象の計画案の中に良いものがあったとしても、受けることは出来ない」

 上がると特典がある、というよりは等級が低いままだと不遇、といった方が近そうだ。

「等級をあげたけりゃ、実績──“探求者評価”を溜める事だ。一定まで溜まってりゃ、昇級申請で等級を上げる事が出来る。ただ、等級によってはこちらが提示する試験計画をこなさないと昇級が認められない場合もあるが。まぁ、この辺りは実際あれこれやってりゃ判ってくるだろう」

「結局は、習うより慣れろってか?」

 エンダーが呆れたようにそう言うが、店主は「そんなとこだな」と否定もしない。

「取り敢えずは“禁領に入るならまずパーチに移動して、提示された探索計画のどれに従うか選ぶ”。あと、“金が欲しいならマイグラトリーレアで斡旋される仕事を請ける”。この二つを覚えていたら後はどうにかなるだろ」

 店主は元居た椅子に座り直すと、テーブル上に粗い造りの紙束を広げ、それを読みながら片手だけをひらひらと振り、

「俺からの話はこれで終わりだ。もう、好きにしていいぞ」

     ***

「さてと。あれこれあったが──まぁ、これで一段落かね」

 マイグラトリーレアを出て、大通りまで戻り。
 街中央の広場の一角、石段に腰を下ろしたエンダーが凝りを解すように肩を回しながら、そんな事を言う。

「で、これからどうすっかな。流石に疲れたし、俺は一回箱舟に戻ろうかと思ってんだけど、○○は?」

 問われて、○○は暫しの思案。
 疲れてはいるが、まだ少しここに残り、“ジルガ・ジルガ”の空気を知っておきたいという気持ちもあった。
 それをそのまま言葉にすると、エンダーは「ふむ」と唸り、

「なら、一回ここで別れっか。アリィ、お前はどうする? ○○に暫く面倒みてもらうか?」

「面倒?」

 エンダーの言葉を受けて、アリィの眼がこちらに向く。
 無言のまま、意思を読み取れない黒瞳がじっと○○を射抜く。ただこちらを見るだけで、言葉は何も無い。それだけの事なのに理由の判らぬ圧迫感を覚えて、○○は反射的に一歩引いて首を横に振った。

「駄目らしいぞ」

「…………」

 アリィの視線が一度エンダーの方へと移り、そして僅かに伏せられる。
 表情からは全く判らないが、実は傷つけてしまったのだろうか。○○は少し焦るが、しかし掛ける言葉も思い浮かばない。

「んじゃ、アリィは箱舟戻り組って事で」

 そうしている間にエンダーが石段から勢いをつけて立ち上がり、アリィの手を取る。

「俺達は先戻ってるけど、○○も無理すんなよー?」

 そんな言葉を残して、エンダーはてくてくと街の端目指して歩いていき、手を引かれたアリィも長い黒髪をゆらゆら揺らしながらその後に続いた。
 赤と金、白と黒の二色で構成された二人が去っていくのを見送ってから、○○も座っていた石段から腰を上げる。

 ──さて、これからどうしようか。

     ***

 ○○の探求者等級が1に上がった!

 [Notice]
 ジルガ・ジルガでの行動について

 群書世界“ジルガ・ジルガ”での行動は、宿木所属の探求者としての活動が主となります。これを“探求者モード”と称します。
 対して、メインシナリオ発生中の状態を“ジルガジルガモード”と称しますが、これについての話は後々するとして、今回は探求者モードについてのみ説明します。

“探求者モード”は先刻書いた通り、探求者としての活動──つまり禁領探索を目的とした状態です。
 禁領探索を行う場合は、まず国から禁領名が書かれた選択肢を選び、該当する禁領の近隣にあるパーチへ移動します。その後パーチで提示される探索計画を選択して禁領へ移動し、選んだ計画に沿った形で禁領の探索を行います。
 禁領探索終了後はパーチに戻り、そこから同じ若しくは別の探索計画を選択して再度禁領に侵入する事も出来ます。
 但し、パーチではパーティの組み換えは行えませんし、専用行動を行わない限り体力の回復もしませんので注意してください。
 また、別の禁領に挑みたい場合は一度国へと戻った後、他の禁領を選択してその近隣パーチに移動する必要があります。

 禁領探索を行って探求者評価値を溜め、探求者等級を上げて、より難度の高い探索計画を受注し、更に評価値を溜めて、等級を上げる。
 これが探求者モードに於ける基本の流れとなります。

 パーチや禁領外での行動としては、各国でマイグラトリーレアからの依頼という形で簡単な仕事を受けることが可能です。
 この行動によって、給金という形でzelを得る事が出来ます。給金の額は探求者等級が上がるに従い、少しづつアップしていきます。
 仕事の内容によっては、一定の条件を満たしていない場合失敗するものや、途中で戦闘が発生するものもあるので油断は禁物です。

 更にもう一つ。
 七王国各国には上述の選択肢の他、エルアークへの帰還と、聖堂院国境守への移動という選択が存在します。
 後者についてですが、この選択肢は大島中央にある聖堂院国境への移動を表しています。但し初期状態では国家移動は行えませんし、可能となった場合でも、聖堂院への移動にはとある条件が課せられますので注意してください。
 前者はお馴染みのものですので説明は省きます。が、忘れてはならない点として、“ジルガ・ジルガ”から箱舟への帰還は七王国各国から可能です。しかし箱舟から“ジルガ・ジルガ”へと移動する場合、出現する場所は必ずエルベ・スーケンとなる事を覚えておきましょう。

─End of Scene─







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