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リクリエーションコーナー |
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あなたたちは、エスカレーターで2階のリクリエーションコーナーに上がった。 大層な名前がついているが、なんのことはない、 クレーンゲームやカードを使ったゲーム機や、 大きめの体感マシンを並べたゲームセンターと、 ずらっと並んだカプセル玩具の販売機コーナー、 そして昆虫やペットに適した小動物や小鳥を展示販売するショップを併設した、寄せ集めのちぐはぐな遊技場でしかない。 誰も遊ぶ者のないゲームマシンは、けたたましく薄っぺらな音を、空しく鳴らし続ける。世界がどこかで決定的に変わってしまったことを察知してか、数多く並んだゲージの中で、鳥たちが狂ったように鳴き、羽ばたいている。 「気をつけて……、何か、いる」 蒼が、ささやくように告げた。 と、壁の隅や物陰、あちらこちらで、ざわざわ……。 ざわざわ……。影が、うごめいた。 「な、なんだ!?」 突如、影は波打つようにして、ざざーっと、 ものすごい勢いで一点に向けて流れだした。 その黒い流れは、昆虫の飼育ケースが並ぶ「昆虫館」の入り口に飲み込まれて、消えた。 「い……、今のは……?」 震える声で、トモキが聞いた。 ゆらり、と昆虫館の入り口から、人影が姿を現した。 女だ。 若く、美しい女は無表情に、あなたたちをじっとみつめた。 そうして、ふいに、にいーっと笑った。笑いかけた。 女の口から、ぽたぽたっと、ふたつみっつ黒いものが、床にこぼれ落ちた。 つられて彼女の足元に目をやると、動いている。虫だった。 ゴキブリだ。 それが影の正体だった。 うっと思わず上げそうになった声をのみこみ、 目を上げると、女の口元で細く黒い肢が、 ぞわぞわとうごめいていた。 小さな黒いヤツが、すばやい動きで、 しゃかしゃか出たり入ったりしている。女の口に。 しゃかしゃか、しゃかしゃか。 思わずあなたは、逃げるように身をひいた。 「ひっ!」 と、かたわらでトモキが息をのんだ。 「虫女(むしめ)……」 蒼がつぶやいた。 女は、笑みを浮かべたまま、 「ねえ、わたしたちとひとつにならない? つながりましょうよ? ねえ?」 と言って、ゆらりと進み出た。 「わたしの子供たちの一匹を鼻に入れるの。 彼らはあなたの頭のなかを脳の奥まで這いずっていって、 そこに巣くう。脳の神経をかじり、すすり、 あなたとひとつになる。同化する。そうなれば、 あなたもわたしたちと、つながることができる。 わたしたちの家族になれるのよ」 そう言うと彼女は右手を差し出した。その手のなかから、 触覚を震わせながら、彼女の子供があなたをみつめていた。 「さあ」 と、彼女がさらに手を突き出してくる。 「さあ!」 ─See you Next phase─ 次回行動選択 ・風まかせ ・受け取る ・拒絶する |
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