TOP[0]>攻略ルート選択 >リザルトTOP

噴水広場

『1F 噴水広場』選択

 モール内部に設けられた、吹き抜けの噴水広場に三人は足を踏み入れた。
 やはり広場にひと気はなく、がらんとした空間に、こぼれ落ちる涼しい水の音が響いている。
 きれいな水をたたえた、直径10mほどの人口大理石製のプールの中央には、 縦に重なる三層の水盆を備えたオブジェがそびえ、天辺部から水があふれる。
 あなたたちは辺りを見回しながら、自然とプールのふちに歩み寄っていった。

「別に、ここはなんの異常もないみたいだな」

 あなたの声は、ぽっかりあいた上空へと吸い込まれていった。

「だといいけど」

 と、蒼が答えた。



「なあ、あんた、どこから来たんだ?」

 と、トモキが蒼に訊ねた。

「この街の人間じゃないよな?」

「わたしがどこから来たかなんて、どうだっていいでしょ、別に。 あなたとのんびり世間話をするため、ここに来たわけじゃないし」

「いや、でも、こうして一緒に、 わけのわからない化け物を相手にしてる以上、 もっと互いのことを知っといた方がいいんじゃないか?」

 蒼が、ゆっくりトモキに向き直った。

「何が言いたいの? わたしに何か聞きたいことでもあるの?」

「ああ、あんた、何者なんだ? どうして化け物のことや、 このおかしな状況のことに関して、いろいろ知ってるんだ?」

「わたしは、二年前からヤツらを追ってる。わたしの大切な人をうばい、 わたしの人生を変えてしまったヤツを追いかけてる。これまでに、 ヤツらについてはいろいろと学んだ。戦うために。 わたし自身が生き残るために。そういうこと」

「おい、ちょっと!」

 蒼とトモキが、そろってあなたの方に顔を向けた。

「水が……」

 ふたりの背後で、水盤からこぼれる水がみるみる赤くなってゆく。
 いつしか天辺から噴き出す水が、赤く色づいていた。

「これは……!」

 振り向いて、噴水を見上げたトモキがつぶやいた。
 プール全体の水も、あっと言う間に真っ赤に染まる。

「おい、これって、まさか……?」

 トモキは視線をゆっくり降ろして、真紅の水面を覗き込んだ。
 ゴボッ、ゴボゴボッ!
 咳き込むような音を立てると噴水が、バッ! と間欠泉のように激しく噴き上がった。
 生ぬるい、異臭を放つ液体が、辺り一面、紅い雨のように降り注いだ。

「わっ!?」

 あなたはのけぞるようにして、思わず噴水から飛び退った。
 ザザッ! とタイル張りのフロアで赤い飛沫を上げて、噴水周囲は赤く彩られた。
 あなたたちは、呆然とそれを見つめた。
 ぱしゃっ!
 プールで、何かが跳ねた。
 ハッとなってあなたたちは、どろりとした真紅の水面に目をやった。
 ゆっくりと、奇妙なカタチをしたものが浮上してくる。
 左右に大きく張り出した頭部。その突端にある、小さな黒い目玉。
 裂けた口には、無数の鋭い歯が幾重にも連なっている。

「な、なんだ、こいつ……!?」

 トモキが思わず、そうつぶやいた。
 赤い液体を滴らせながら二本足で立ち上がったそいつは、 ゆっくりと三人の顔を見渡した。

「よく来たな、俺さまの海に。さあ、それじゃあ、 お前たちにも泳いでもらうとしようか。自分自身の血の海でな」

ハンマーヘッド(それなりに強そう)

〇〇〇はすべすべした皮を手に入れた!

 戦闘に勝利した。

「くそッ、なんだってんだよ、こいつら! 心臓が止まるかと思ったぜ!」

 と、トモキが吐き捨てるように言った。

「でも、まだどうにか生きてるでしょ」

 確かに、まだ生きてはいる。だが、こんな調子で、 この先どれだけ生きのびられるのか。
 あなたは震える手で、額の汗をぬぐいながら考えていた。
 なんとか逃げられないのか? 逃げ出す手立てはないのか? この狂った状況から?

「わたしは、どこか安全なとこに隠れてたら、と忠告したわ。 ついてくると言ったのはあなたたちよ」

 と、あなたの頭の中を読んだみたいに、蒼が告げた。

「今からでも遅くない。逃げたければ、逃げたら? でも、 無事にここから出られるかどうかは保証できないけど」

「ちくしょー! わかったよ、行きゃあいいんだろ、行きゃあ! 俺と○○ふたりだけで、どうしろってんだよ、まったく」

 うなずく蒼。

「わたしとしては、自分ひとりのほうが身軽でいいんだけど……。 忘れないでよね。自分の面倒くらい自分で見られる。そう言ったのは、 あなたたちだってことを」

「ちッ、わかってるよ」

 と、くやしげに横を向くトモキ。

「オッケー。それじゃ、行きましょう」

─End of Scene─






画像、データ等の著作権は、 Copyright(C)2008 SQUARE ENIX CO., LTD./(C)DeNA に帰属します。 当サイトにおける画像、データ、文章等の無断転載、および再利用は禁止です。