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基礎戦術論II


 講義の開始を知らせる鐘が鳴ると、 すぐに教官が教室に入ってきた。

「では、講義を始める。今回のテーマは属 性と力場だ。レベル2のボスとはもう戦っ たか? まだの奴は後で見て来い」

 教官は黒板は無視して教壇の前に腕を組んで立った。

「レベル2では植物のモンスターによく遭 遇するだろう。奴らのようなフニャフニ ャの軟弱な身体は、潰すより斬る方 がダメージを与えるのにより効果的 だ。槌を使うより剣を使った方が 良いということだな。逆に木や岩と いった硬い奴を潰すなら槌が最適だ 。ボスの木の化け物も硬質タイプだか ら、効果的なダメージを与えようと思 ったら、片手剣や弓より、槌や斧、 両手剣を用いるべきだ」

 教官が机を拳骨で殴る。ゴンとい う音と共にミシという天板がきしむ音がする。

「なお、斧と両手剣は“斬り 潰す”武器なのでどちらの属 性も併せ持っている。どちら にも効くとも言えるし、どち らにもあまり効かないとも言える。但し!」

 教官の大きな声がより大きくなる。

「たとえ斧を持っていても普通に攻 撃せずに槌スキルを使用すると、その 攻撃は相手を叩き潰すものになる。 例外もないではないが、槌スキルの大 半はそういう攻撃だということを忘 れてはいかんぞ。例えば、剣スキルの 大半は斬る攻撃だが、ストライプソードの スキルは突き刺す攻撃だ。で、その属 性の種類だが──」

 ここで初めて黒板に向き直って字を書き始める。

 貫通 ─ 突き刺す。獣や鳥に有効。槍/弓/牙
 斬撃 ─ 切り裂く。植物や軟体に有効。剣/爪
 衝撃 ─ 叩き潰す。木や骨に有効。槌/拳/触手
 精神 ─ 頭痛の種。歌・咆哮《ほうこう》
 炎熱 ─ 熱い
 冷気 ─ 寒い
 光 ─ まぶしい
 闇 ─ 暗い

「こんな感じだ。他にもあるがほ とんどの攻撃はこの8つに分類さ れる。この内、貫通、斬撃、衝撃 の3つがいわゆる物理攻撃と呼ばれる」

 物理攻撃以外の説明がかなりおざなりだ。

「さて、残り5つの内の4つ、炎熱 、冷気、光、闇は二つずつで対に なっている。炎熱と冷気、光と闇 の組み合わせだ。そして、冷気は 炎熱がマイナスの状態、闇は光がマイナス の状態を意味している。この状態 の偏りを“力場”という。で、こ の4属性のスキルは使うと使う度に力 場が偏っていく。そして、力場が どちらか一方に偏っていくと、その 属性のスキルの威力は増し、他方の属性 のスキルの威力は減る」

 なんだか急にややこしい話になってきている。

「まあ、実は俺も良く分かって ないんだが、要するに寒い部屋 で焚き火をすれば部屋は暖まり 、部屋が暖まると焚き火は勢い を増して、最後は火事になると」

 一気に物騒な話になった。

「さて、ここでボスの話に戻るが、 古木を盾にして後ろでこそこそし てるドリアードが冷気の力場をを一気 に上昇させる、つまり、炎の力場 を急降下させるスキルを使うだろう 。あれをやられると炎系のスキルは 軒並み使い物にならなくなる。 古木もドリアードも植物の一種だか ら炎熱ダメージに非常に弱いのだが、 その弱点を力場操作によってカバーし ているわけだな。ちなみに俺の弱点 は幽霊だ。あいつら斬れないからな」

 そういうと教官は笑った。

「よし、今日はここまでだ」



─End of Scene─


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