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製作作業場2

【備考】
ノルマ達成→寮→製作作業場

 週に一度の兵器組み立てラインは、3時間の睡眠すら与えられずに、30時間ノンストップで働かされる。
 ベルトコンベアーに乗って流れてくるモンスターに、もうろうとしながら、部品を取り付ける。

 突然大きな音がして、僕の意識と体がつながった。

 見ると、僕のとなりの“奴隷”が、意識を失って倒れていた。
 すぐさま、“奴隷”を監視する管理モンスターが彼に襲いかかる。

 動作チェックで戦ったことがあるやつだ。
 まともに攻撃を食らったら、この人は確実に死ぬ!
 とっさに彼をかばおうとした僕の手から、あの光の玉が飛び出した。
 管理モンスターのターゲットが、僕に切り替わった。


試作T型



 周りの労働者たちが騒ぎたてていた。
 監督者がどかどか駆け付けて、僕を取り押さえ、懲罰房へ引きずり込んだ。
 奴隷たちの歓声と監督者の怒号と機械の音が、僕の頭の中でどんどん大きくなって、 その後のことはよく覚えていない。

 3日後、懲罰房から戻ると、僕の立場はすっかり変わっていた。
 トイレで、廊下で、食堂で。すれちがう労働者たちが、僕に微笑み、僕に話しかけたそうにしていた。

 僕の周りの空気は、何かが変わろうとしていた。
 マンガの中のヒーローは、誰からもちやほやされて、期待される。
 凄い能力と、熱血精神。友情・根性・努力!
 すべてを兼ね備えたカリスマという魅力を持っているからだ。
 僕は、マンガを読むたびに、そんな奴いないよ! と突っ込んでいた。
 でも、今、ここで僕はそんな英雄になっていた。

 ――そして、英雄気分は悪くないものだった。

ーEnd of Sceneー


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