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聖公庁地下

銅製のカギをさしこんでまわすと、ガチャリと音をたてて錠が外れた。

暗闇に慣れた目にとびこんできたのは、予期せぬ光景だった。

「――女?」

がらんとした広い部屋。
冷たい石床に、足枷で鎖につながれた女が横たわっていた。



「どうした、大丈夫か!」
駆けよって、抱き起こす。

女は死にかけていた。
絹の法衣から覗く青白い肌を一瞥する。身体じゅう傷だらけであることがみてとれる。

――魔法の眠りか?

女は浅い呼吸をくりかえすだけで、いかなる反応も返さない。

頬から首筋にかけては痛々しいあざが走り、蒼ざめた頬はこけ、美貌はやつれきっていた。
だが、高貴な家柄の娘であることはひとめで判断できた。

「この女……何者だ?」

―END of Scene―







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