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聖公庁ふたたび |
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ルクレチア聖公庁―― すべての悪の生ずる場所。 月夜。モルト、セルリア、エルニノ――そしてリュウシンの4人は、 聖公庁に隣接した墓地を通り抜け、中庭を眼前にしていた。 「あなたはいずれ、ここへ舞いもどる運命なのだから――」 10年前のカルミネラの言葉が、モルトの脳裡によみがえる。 ――あの夜も、満月の夜だったな。 夜空をみあげるモルトを、リュウシンがいぶかしげに見守った。 セルリアとエルニノのふたりは、黙ってモルトについてくる。 「――お?」 庭にそびえたつ大きな豆の木にリュウシンが目をとめた。 声をひそめて言う。 「“ヘビの木”だな、こいつは」 「――ヘビの木?」 「ああ、10年くらいかけて木に育ち、やがてこんな実をつける」 リュウシンは豆の実をひとつもぎとって、モルトの手のひらにのせた。 「とっとけ、役に立つぜ」 ツタ状の豆の枝が、触手のようにさわさわと動き、 思わず身をすくめた。 そのとき、思いだした。 10年前、カルミネラのもとから逃げだしたとき、 落ちてきた豆の実をこの地面に置いたことを。 ――これは、あのときの木か。もう10年が経つのだな。 ふたたび、ツタ状の枝が静かに動いた。心なしか、 やさしく感じられる動きだった。 「行くか」 モルトはうなずいた。 足もとを、黒猫が音もたてずに歩いていった。 ☆●●●はサーペンツエッグを手に入れた! ☆○○○はサーペンツエッグを手に入れた! ─End of Scene─ |
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