エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集　ﾙｸﾚﾁｱ物語

聖公庁へ

「ｾﾙﾘｱ。本当の名前さえ、まだ聞いてなかった――」

　ｾﾙﾘｱの亡骸を葬った常緑樹の下で、ﾓﾙﾄはうなだれたままつぶやいた。

　ｴﾙﾆﾉは銀製のﾍﾟﾝﾀﾞﾝﾄを握りしめたまま、ｾﾙﾘｱの眠る地面を無言でみつめていた。
“救世主”の顔に、もう笑みはなかった。それは、母を亡くした10歳の少年の顔だった。

「いまの気持ちを、決して忘れるな。それが“哀しみ”の心だ」

　少年は無言でうなずいた。

　　　　　　***

「――あら?　こんな場所で出逢うなんて、わたしたち、赤い糸で結ばれているのかしら」

　凛と通る声に、3人はふりむいた。そこには黒い甲冑の騎士たち―― 聖公神衛隊に囲まれた、真紅のﾄﾞﾚｽの美女ｶﾙﾐﾈﾗがいた。

「呪われた赤い糸だな」

　ﾓﾙﾄとﾘｭｳｼﾝは武器をかまえた。ｴﾙﾆﾉがきっと睨んだ。

「ｴﾙﾆﾉ。その瞳――それはあなたから消去したはずの“怒り”の情ね」

　彼女は深い溜息をついた。

「“教育”の成果が台なしだわ。ｴﾙﾆﾉ、こちらにいらっしゃい」

「いやだ!」

「反抗的な子ね――でも、強引にでも連れていくわ!」

ｴﾙﾆﾉを守れ(微妙に強そう)が現れた!

─See you Next phase─