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聖公庁墓場

屍喰らうもの(微妙に強そう)が現れた!


☆○○○は鋭利な鉤爪を手に入れた!

 戦闘に勝利した。

 ――グルルル……

 黒い楯を叩きつけると、最後の魔獣は動きを止めた。

 モルトは次の攻撃対象とすべくカルミネラに狙いをさだめた。
 だが、またも射すくめられたように、身体が硬直した。



「さすがは、わたしの最高傑作。“生ける屍”同然のストラルドブラグでは、 相手にならないわね」

 モルトに手をかざしたまま、くすくすと笑う。

「ご褒美に、イイことをおしえてあげるわ――レナータさまのこと」

 カルミネラは大きな月をみあげながら涼しげに言う。
 魔女の呪縛を受けた身体は、麻痺したように動かない。 モルトは呪縛を解こうと死力をつくしながらやっとのことで問うた。

「……聖公シエロの妹が、どうして監禁されていた」

「不義の罪よ」

「まさか、エルニノは――」

「そう。レナータさまは、召使と恋仲になり、男児を出産された。 それがエルニノさま」

「“祝福された子”として聖公が養子にむかえたエルニノさまが―― 不義の子だった、というのか?」

「ええ。猊下はお怒りのあまり、レナータさまを地下に監禁なさり―― 真実を知る者をすべて“病死”させるよう命じたわ。 猊下はエルニノも殺すつもりだった」

 カルミネラは風で乱れた美しい銀髪をなおした。

「そこで進言したの。錬金魔術の力で、 エルニノの一切の負の感情を抑えこみ、 “救世主”を人工的に製造しましょう――怒りも哀しみも恐怖も知らず、 誰にでも愛される天使のような子を、とね」

「そんなことが――」

「できるわ」

 鋭い声音だった。

 紅いくちびるが淀みなく動く。

「天の遣わした神童エルニノは、終戦後、民の希望の星となる。 そしてシエロ猊下のご威光に、いっそうの華をそえることでしょう」

 呪縛に抵抗しつつ、脱出の機をうかがうモルトの目の動きを、 彼女が鋭くとらえた。

「墓地を抜けてお逃げなさい。あなたはいずれ、 ここへ舞いもどる運命なのだから。いつまで逃げ切れるかしら―― 楽しみだわ」

 突然、身体が軽くなり、四肢の自由がもどった。
 カルミネラはすでに遠くへと去り、高らかな哄笑が闇夜にひびきわたった。

─End of Scene─







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