エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集　ﾙｸﾚﾁｱ物語

聖公庁墓場

奥の小路へを選択

　裏庭の奥へ逃げこんだ。
　石でできた小路が、暗闇のむこうへとつづいている。
　ﾓﾙﾄはさらに奥へとむかった。

「――墓場か」

　そこには、広大な墓地がひろがっていた。ﾓﾙﾄはふと、埋葬準備された巨大な棺に目をとめた。
　棺は、あぎとをあけていた。
　……まるで誰かの死を、じっと待つかのように。

「そうか。これはﾚﾅｰﾀの――ｴﾙﾆﾉの母の、棺か」

　棺はみたこともない黒い合金製だった。ふたはｽﾞｯｼﾘと重く、裏側に持ち手がついている。

「まるで、楯だな」

　もちあげつつ、苦く笑う。
　そのとき。

「みつけたわ」

　ｻﾞｯ、とうしろで足音がした。
　真紅の魔女ｶﾙﾐﾈﾗの声が、夜空に凛とひびいた。

「あら、驚いた。ﾚﾅｰﾀさまと会ったのね」

　ﾓﾙﾄが手にした首飾りを、めざとくみつけて言う。
　彼は棺のふたをもちあげ、楯のようにかまえた。

「おとなしくお縄にかかった方が――身のためではないかしら」

　ｽﾞｽﾞｯ、ｻﾞｽﾞｯ。
　周囲の墓石の影から、黄色い瞳をもつ蒼白の魔獣たちが、ﾓﾙﾄを包囲するようにとびかかった!

屍喰らうもの(微妙に強そう)が現れた!

─See you Next phase─