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聖公の間 |
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【攻撃をまかせる】を選択 「リュウシン、頼みがある」 モルトには秘策があった。 「カルミネラはストラルドブラグを金縛りにする、 不思議な力がある。オレが囮になる。その隙にカルミネラを倒せ」 「――わかった。行くぜ!」 リュウシンの合図とともに、モルトは楯を低くかまえ、とびだした。 〜戦闘省略〜 「……これで最後だ」 ガンッ! 長躯を活かしたモルトの猛烈な体あたりの前に、 屈強の剣士のひとりが後方にはじき飛ばされ、昏倒した。 だが、もう片方の剣士は、猛攻にもひざを屈しなかった。 人間とは思えぬ怪力で自分の楯を押し、逆に押しもどしはじめる。 先に退いた方に、隙ができる。 モルトは自覚していた。 「――ふふ」 両者の力勝負に見惚れるかのようにカルミネラが右手をさげたのを、 モルトの双眸がとらえた。 *** 「リュウシン、いまだ!」 「おう!」 モルトの声にこたえ、後方のリュウシンがナイフを投げた。 「――!」 投擲用ナイフが魔女の頭部をかすめ、銀髪がぱらりと舞った。 「ちっ、はずしたか」 椅子に腰かけたままの聖公シエロのそばで、 彼女は信じられないものをみた、とでもいうように目をみひらいた。 「生身の人間の力を、わたしはあなどっていたようね」 カルミネラはクロスボウ状の小型武器を手にとった。 「エルニノを返してもらうわ!」 硬直したエルニノにむかってカルミネラが馳せる。 小動物を狙う山猫を思わせる危険な動きだった。 大力の剣士を床に倒し、モルトが叫んだ。 「リュウシン!」 「ウラァアッ!」 寸前、リュウシンが“救世主”の前に立ちふさがり、カルミネラにナイフをつきだす。 「ふふ――」 真紅のドレスをひらめかせ、魔女はバックステップで連撃をよける。 訓練をつんだ兵にも勝る、超人的な反応だ。 「ちっ!」 「大した手練だこと――でも」 ドドドッ! 手にした武器から、カルミネラが針のようなものを連射した。 「ニードルガン!」 リュウシンが左胸を押さえ、その場にくずおれた。指の隙間から、 鮮血がどくどくと流れでた。 「リュウシン!」 モルトとエルニノが駆けよる。 ――致命傷! モルトはひと目でみてとった。しかし…… 「――エルニノは、わたせねえな」 リュウシンが胸を押さえたままふらふらと立ちあがり、 魔女の目が驚愕でみひらかれた。 「驚いたわ。なんという情念かしら」 魔女が再度ニードルガンをかまえると、 リュウシンが“救世主”をかばうように立ちあがった。 「そうは行くか――!」 「邪魔しないで」 魔女がさっと手をあげた。神通力のごとき金縛りに、 モルトの身体が硬直する。 「――くっ」 ドドドッ。 至近距離から放たれた針がふたたび命中して、リュウシンがひざをつく。 エルニノが駆けよる。 「エルニノ。おまえは、未来への希望だ。生きのびるんだ―― どんなことがあっても」 突然、呪縛が解けて、モルトも駆けよった。 「へへ、あんたひとりじゃ頼りないが――エルニノはまかせたぜ」 リュウシンはがくんとうなだれ、静かに目を閉じた。 「死んじゃダメだよ、リュウシン!」 抱きついたエルニノは、いつまでも泣きじゃくっていた。 「エルニノ、さがっていろ」 モルトが立ちあがり、“真紅の魔女”を睨んだ。 「ずいぶん多くの借りを作った。返礼をさせてもらうぞ、カルミネラ」 「遠慮するわ」 銀髪に手をやって酷薄な笑みを浮かべる顔は、どこまでも涼しげだった。 「それよりも、背後に気をつけた方がいいんじゃないかしら?」 「な――」 視界に入ったのは、信じがたい光景だった。 すでに息のないはずのリュウシンが戦闘用ナイフを両手にかまえ、 ふたたび立ちあがっていたのだ。 モルトは友の顔に、生なき者に特有の表情をみてとった。 「ストラルドブラグ――!」 「……そう。これが最新の“ストラルドブラグ”施術法――注射は即効性よ」 “真紅の魔女”がニードルガンをもちあげて言った。 「テロリストの彼は、すでに“生ける屍”――わたしのお人形さんよ」 「リュウシンが……」 「“完全体”のあなたに、知力と敏捷さでは及ぶべくもないけれど―― 魔獣ゆずりの再生能力は、あなた以上のはず」 意思もたぬ“生ける屍”と化したリュウシンが、モルトににじりよった。 うなりをあげて襲いかかるリュウシン! 「ガァウ!」 「リュウシン、やめろ!」 制止の声は友にとどかない。瞳孔は完全にひらききり―― もはや生命の光を宿していなかった。 心もたぬ友(たぶん強そう)が現れた! ─See you Next phase─ |
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