TOP[0]>攻略ルート選択 >リザルトTOP |
|
サヴァンの庭へ |
|
(Flash画像) 群書に栞を挿した瞬間、己という存在そのものが箱舟の上から消え去り、 再構成されたそれが本の中へと記し移される。 理解など到底及ぶべくもない、遠い理に支えられた“仮記名”。 それはもはや人の扱いうる領域を踏み越えたもの――言うなら神業だと、 初めはそう思った。己の常識を遥かに超えた技術に畏怖さえも覚えたものだ。 だが、どうやら人というのはそんな“神業”にさえ慣れてしまうことができるようだ。 今では書に入るために記名するという事は、 部屋に入るために扉を開けるという事と同程度の感覚に成り下がっていた。 記名においては自己の再構成に伴う意識の不連続性という問題があるのだが、 それさえもすぐに順応した。 要は、眠りに落ちるのと――あるいは夢から覚めるのと、同じことだ。 書を出入りするまでもなく、人は常日頃から不連続な意識の中で自己を保つことができている。 一旦慣れてしまえば、 栞を介した存在概念の分解と再構成の過程もはっきりと知覚するようなことは無くなった。 幾度か、意識が消える間際に曖昧模糊《あいまいもこ》とした暗闇を見たように思うが―― ともかく明瞭な記憶としては残らない。 栞を挿した○○が次に目を開いた時、その身は既に目指す世界の中に在った。 周囲を軽く見回し、風の音や草の匂い、己《おの》が五感に訴えかける刺激を確認する。 これが夢の入りと違う点だ、と思った。 目を開く前と後、どうやらその両方の世界が、現実らしい。 ─End of Scene─ |
画像、データ等の著作権は、 Copyright(C)2008 SQUARE ENIX CO., LTD./(C)DeNA に帰属します。 当サイトにおける画像、データ、文章等の無断転載、および再利用は禁止です。 |