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母との旅

聞いてみよう選択

 僕は、母さんに父さんのことを聞いてみた。

「ねえ母さん。父さんは、どんな人だったの?」
「そうだな……」

 母さんは、記憶を手繰り寄せるように、一度空を仰いだ。

「……優しい男だった。勝利の時は武勲を部下に譲り、 敗走の時は最後まで敵の目を自分に集めた。 若い時代は栄光になど縁がなかったが、 誰よりも部下に愛されていた」

 父さんは、僕が3歳の時に戦場で死んだ。
 だから、なにひとつ記憶には残っていなかった。

「12年前、私はこの森で魔女に襲われ、身体の自由を奪われた」
「母さんが……?」
「ヴァレイが私を助けに来たが、すぐに魔女の大群が現れた。 その数は、百だったのか千だったのか……。 ヴァレイは動けない私を守るために、自分の竜だったメシアに私を乗せ、 一人でこの場に残った。最後まで一緒に戦いたい……。 全身でそう訴える私に、ヴァレイはこう言ったのだ」
「………………」
「俺を見捨てて行け。それはあまりに強く、 残酷な言葉だった。だが、私はその言葉に従ってヴァレイの竜に乗り、 こうして生き延びた」
「父さんが……、母さんの盾になったのか……」


 この話を聞いて、はっきりとわかった。
 母さんは、今でも父さんのことを強く愛している。

「所詮は戦場で発せられた、ただの命令だ。 あれが教えと呼べるようなものかはわからないが……、 フリーゼイ、お前にも伝えておく。私がやられた時には、 お前は私を見捨てて行くんだ。たとえ、それで私が死ぬとしても」
「そんな……」




「お前も軍人になるのなら、考えずに飲み込め。これは、 帝王と呼ばれた父の教えだ」

 僕たちは再び竜に乗り、 魔女の国ウィズラー地方へ向かって飛び立った。

 たとえ目の前で親が死んでも、 自分が生きることを優先しなくてはならない。
 それが戦争……。
 それがライダー……。

 12年前に死んだ父さんの教え。
 母さんの言葉。
 僕は、すべてを胸の奥にしまい込んだ。

─End of Scene─



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