エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集

母との旅

「ﾐｼｱﾚｼｱのことが気になるか?」
「えっ……?」
　母さんと二人で家を出発してから、数日が経った。

　母さんの言う通りだった。
　旅立ちの時のﾐｼｱﾚｼｱの顔が、瞼の裏に焼きついて離れなかった。

　ﾐｼｱﾚｼｱの目に、うっすらと涙が浮かんでいた。

「おばさま……。どうしてﾌﾘｰｾﾞｲを戦場に……?」
「ﾌﾘｰｾﾞｲには、ﾗｲﾀﾞｰの資質がある。戦場に行っても、己の命ぐらいは守れるだろう」
「で…でも、まだｱｶﾃﾞﾐｰにすら入ってないのに……」

　母さんは、一度紅竜ﾒｼｱから降りて、ﾐｼｱﾚｼｱの頭を優しく抱いた。

　不思議な気分だった。
　ﾐｼｱﾚｼｱに向かう時の母さんは、本当の母親以上に母親らしい。

「ﾌﾘｰｾﾞｲには、実戦を通じて私が戦いの技術を仕込む。お前は、ｱｶﾃﾞﾐｰでﾗｲﾀﾞｰの基礎を学んでくるのだ。そうすれば、いずれ戦場で会える」

　母さんがそう言うと、ﾐｼｱﾚｼｱは人目もはばからず、わんわんと泣き始めた。
　感情をあらわにしたﾐｼｱﾚｼｱの姿を見て、僕の方が戸惑ってしまった。

「ﾐ…ﾐｼｱﾚｼｱ。僕なら大丈夫だ。必ず生きて帰る」

　そう言った僕に、ﾐｼｱﾚｼｱは両手に顔をうずめたまま、何度も何度も頷いていた……。

　母さんの少し後ろを飛んでいた僕は、ﾐｼｱﾚｼｱへの想いを振り払うように、大きく頭を左右に振った。

　やがて、渓谷の岩場に大きな口を開いた洞窟が姿を現した。

─See you Next phase─

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