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旅立ちの日 |
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僕は、母さんの元へ走った。 母さんの前で立ち止まり、顔を上げた僕は、 しっかりと母さんの目を見て言った。 「いってらっしゃい、母さん。僕は、応援してる」 その時だった。 母さんが初めて、僕の顔をじっと見つめた。 「ど…、どうかした?」 「いつの間にか、身体が鍛えられたな」 「あ、うん」 「力が命を守ることがある。さらに励め。そして、肉を食え」 「は…、はい」 母さんは立ち去ろうとして、すぐに止まった。 そして、僕の方を振り返った。 「この鞍を、お前にやろう」 「え? あ、ありがとう」 「お前の父、ヴァレイの鞍だ。まだ、お前には大きいかもしれないが、 すぐにちょうどよくなるだろう」 母さんは僕に鞍を持たせ、立ち去っていった。 予想外のことに、僕はしばらく呆然と立ち尽くした。 母さんが、鞍をくれた。 母さんに何かをもらったことなんて、僕はほとんど記憶になかった。 僕は自分の部屋に戻り、机の上に鞍を置いた。 ランプの灯を消しても、なかなか眠りにつけなかった。 こんなこと、初めて知った。 母親に構われることが、こんなに嬉しいだなんて。 ☆○○は帝王ヴァレイの鞍を手に入れた! ☆○○は帝王ヴァレイの鞍を手に入れた! ☆○○は帝王ヴァレイの鞍を手に入れた! ☆○○は帝王ヴァレイの鞍を手に入れた! 朝、目が覚めた僕は、窓から庭を眺めた。 紅い竜に乗る母さんを、ミシアレシアが見送っている。 「母さん! どうか無事で!」 僕は、大声で母さんに向かって叫んだ。 母さんを乗せた紅竜のメシアが飛び立つと、 母さんは振り返ることなく去っていった。 僕が1階に下りると、ミルトが厨房から出てきた。 「おほほ。ぼっちゃまの声、厨房まで聞こえてきましたよ」 「えっ、ほんと? なんか、恥ずかしいな……」 「いえいえ、ご立派なことです。ぼっちゃまの想いは、 ちゃんとお母さまに伝わってますよ」 ミルトの言葉に、僕は照れ笑いを浮かべた。 「ああ、そうだ。お母さまから、ぼっちゃまへの伝言です」 「わかってる。北の檻の竜のことでしょ?」 「そうですそうです。お母さまから聞いてらっしゃいましたか」 僕はすぐに屋敷を出て、北の檻へと向かった。 檻の中では、サルバが身体を縮めて眠っていた。 不思議だ……。 もう長いこと乗っているのに、この世界では、 また初めて乗ることになる。 気配を感じ取ったのか、僕の竜が目を覚ました。 「サルバ、よろしくな」 ─End of Scene─ 次回行動選択 (12時間更新) まだ決めていない 風まかせ 続ける エルアークへ戻りたい |
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