エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集

旅立ちの日

母親に話しかける選択時

　話しかけよう。

　いつまでも母さんを避けていたのでは、自分を変えることなどできない。

　母さんがいるﾊﾞﾙｺﾆｰへ向かうと、ちょうど僕を捜している乳母ﾐﾙﾄと会った。

「ぼ、ぼっちゃま。どちらへ行かれるんです?」
「うん。母さんの所へ」
「あら? ぼっちゃまが、自分からお母さまの所へですか?」
「うん。母さんは明日から戦場だから、話しておこうかと思って……」
「まあまあまあ……。それは、立派な心がけでございますね。お母さまも、お喜びになると思いますよ」

　ﾐﾙﾄは、うんうんと頷き、厨房の方へ下がっていった。

　ﾊﾞﾙｺﾆｰの扉を開くと、竜の鞍を磨く母さんの姿があった。

「母さん……」

　母さんは僕の方を向かなかったが、僕は構わず話し続けた。

「明日は戦場だね……。ﾗｲﾀﾞｰとして、務めを果たしてきて」

　それでも、母さんは返事をしない。
　黙ったまま、鞍を磨き続けている。
　僕と母さんの間に、沈黙が流れる。

　鞍を磨き終わった母さんは、立ち上がって僕に背を向けた。
　母さんが、行ってしまう。
　このまま行かせてしまったら、前の時と何も変わらない。

　僕は……。

─See you Next phase─