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修了試験






 実戦で負ったケガも回復し、再びアカデミーでの生活が始まった。
 下位クラスの生徒は、推薦がない限り修了試験を受けられないが、 中級位魔女を倒した実績を考慮され、僕は修了試験を受けることを許された。

 授業が終わり、廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。

「あっ、フリーゼイ!」

 ミシアレシアの声?
 振り返ると、ミシアレシアが僕の元へ走り寄ってきた。



「フリーゼイ、もうすぐ修了試験ね」
「うん……。試験に受かったら、僕たちは本物のライダーだね」
「ねえ。二人で一緒に合格できたら、私、行きたい所があるんだけど……」
「えっ…えっ? 二人で?」
「うん。アスラニアの海岸って、フリーゼイ知ってる? ここからずっと南の方に、 緑色に澄んだ海が見える場所があるの」
「初めて聞いた……。けど、僕も見てみたい」
「じゃあ、約束よ」

 前の時も、ミシアレシアからのこの誘いに、僕は胸をはずませたのだ。
 だが、修了試験を終えることなくミシアレシアは死んでしまい、 結局この約束を果たすことはできなかった。

 必ず、ミシアレシアを助ける。
 そして、この約束を果たすんだ。
 僕は心に固く誓った。

修了試験の日を迎えた。
修了試験に臨む生徒が校庭に集まり、 アカデミー長から修了試験の詳細が伝えられた。

 聖地ナルファリア山に向かい、その頂上にいる聖竜に謁見するという、 古くからアカデミーに伝わる伝統的な試験だ。
 だが、聖竜に謁見するには、聖地を守る番人を倒す必要があり、 実力のある者しか試験に合格することはできない。

 アカデミー長の話が終わると、 隣にいた見覚えのない生徒が僕に話しかけてきた。



「なあ君、知っているかい? 未熟なライダーを主人とした竜が聖竜と対峙すると、 その竜は呪われ、自分の主人を喰らってしまうって話だよ」
「……えっ?」
「君がフリーゼイだろ? 俺は、上位クラスのシェローマだ」
「シェローマ。よ…よろしく」
「君のウワサは、いろいろ聞いてるよ? 帝王ヴァレイの子息にして、 中級位魔女エラキュリアを倒した実力者。だが、 今はなぜか下位クラスにいるんだってな」

 僕が戸惑っていると、シェローマは微笑みながら去っていった。

 アカデミー長の見送りを受けて、僕は他のメンバーと共に、 聖地へ向かって飛び立った。

─End of Scene─


次回行動選択
まだ決めていない
風まかせ
聖地ナルファリア山へ
エルアークへ戻りたい


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