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ミシアレシア |
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僕とミシアレシアは、休憩のために崖の上に竜を止めた。 ミシアレシアが、崖の剣先に立ち、遠くを眺めている。 夕焼けが、ミシアレシアの全身をオレンジ色に染めていた。 「ミシアレシア、危ないよ。あんまり、前に行きすぎると……」 「大丈夫よ。ここ、風がすごく気持ちいいの」 ミシアレシアの声は明るかった。 だが、なぜだろう。 夕日に照らされた彼女の後ろ姿は、これまでに見たこともないような、 深い憂いを湛えていた。 「ここを少し東に行くと、アスラニアの海岸があるのよ?」 「ああ、ミシアレシア、いつか行きたいって言ってたね」 「………………」 ミシアレシアが、ゆっくりと僕の方を向いた。 瞳から、涙がポロポロとこぼれていた。 「でも、ざんねん……。もう行けないんだな」 「どうしてさ。行けるよ。アカデミーを修了してからだって、きっと行ける」 「私、アスラニアの海岸に行きたいなんて、フリーゼイに言ったこと、一度もないよ?」 「え……?」 「ねえ、フリーゼイ……。私にとっては、これが一回目だから、 わからないのよ……」 ミシアレシアの言っていることの意味が、一瞬わからなかった。 「フリーゼイ……。あなたは、何回時を渡ったの?」 ミシアレシアの言葉は、予想外だった。 あまりにも……。 「君は……、知ってるのか……? 時渡りのことを……」 「ええ、知ってるわ。私も、時を遡ってこの時代に来たの。サルバに乗って……」 「ミシアレシア……。君は、いったい……?」 ミシアレシアは再び僕に背を向けて、人差し指を海の方に突きだした。 「フリーゼイ。あなたほどじゃないけど、私も結構強いのよ?」 ミシアレシアの指先に現れた小さな炎が、巨大な火球となって、 海の彼方へ飛んでいった。 この呪文には、見覚えがある。 忘れもしない……。 「今の呪文は、女王メルファティアと同じ……」 「やっぱり……。もう女王と会っていたのね」 「……ミシアレシア。君は何者なんだ?」 「私は、魔女。女王メルファティアの娘よ……」 ─See you Next phase─ 次回行動選択 (12時間更新) 選択はありません |
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