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母の願い |
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「……サルバーッ!!」 僕が叫ぶと、全速力で飛んできたサルバが、母さんの身体を空中で受け止めた。 「フリーゼイ! 討て……!」 母さんの声が号令となり、僕は槍を構えてメルファティアの方に走りだした。 メルファティアは、紅竜メシアが放った炎に巻かれて苦しんでいる。 僕は飛び上がり、渾身の力を込めた槍の一撃をメルファティアに振り下ろした。 その槍が、女王メルファティアの身体を貫いた……。 「ギィヤアアアアアァァァァァッ!!」 メルファティアは叫び声を上げて、その場にうずくまった。 僕は立ち尽くしたまま、苦しむメルファティアの姿を、しばらく眺めていた。 サルバの翼の音に我に返り、僕は振り返った。 倒れた母さんの様子を窺うように、サルバが顔を近づけている。 「……母さんっ!!」 僕が母さんの元に駆け寄ると、母さんは苦痛に顔を歪めていた。 「ハァ…ハァ……。フリーゼイ……。なんとも…バカバカしい…話だ……。 こんな時でなければ…、きっと信じもしなかった……」 「か…、母さん?」 「サルバが……、私に教えてくれた……。お前が、この短い間に…、 これほどに成長した理由を……」 「サルバが……」 「ありがとう、フリーゼイ……。お前が…私を助けに来てくれたと聞いて…、 この心が…どれほど安らいだか……。私の死は…、もう避けられそうに… ないが……」 「そんなのダメだ! 母さん!! 女王メルファティアは、僕が倒した! だから、お願いだから! 死なないでよっ!!」 「メルファティアは…、生きている……」 「そんな……」 「すぐに…動きを取り戻す……。その前に、お前はサルバと共に逃げろ……。 再び、時を…遡れ……」 「いやだ! 母さんをここに置いていけない!! 一緒に逃げるんだ!」 母さんは、一瞬優しく微笑んだ。 「聞き分けの…ない子だ……。お前に…なんと教えた……? 私を見捨てて行け……。たとえ、それで…私が死ぬとしても……」 「いやだ……いやだ……。母さんを置いていけない。だって…やっと ……、母さんのこと、わかったのに……。心が通じ合ったのに……」 泣き崩れる僕の頭を、母さんは優しく抱いてくれた。 「……サルバの…正体を知った今なら…わかる……。ミシアレシアも ……そうだったのだ……」 「サルバの正体……?」 「戦災地で…ミシアレシアを見つけた時から…、感じていた……。 サルバが…ミシアレシアを殺したというのなら…、それには… きっと深い意味がある……。ミシアレシアは………」 そこまで言った母さんが、目を大きく見開いた。 「……メルファティア!!」 振り返ると、すぐ後ろに、高く剣を振りかぶったメルファティアが立っていた。 僕は…………。 ─See you Next phase─ 次回行動選択 (12時間更新) まだ決めていない 風まかせ 後方に下がる 受け流す |
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