エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集

遠征試験

　模擬戦が終わり、数日が経った。

　南方の魔法大戦を視察するための、遠征試験の日を迎えた。

「上位ｸﾗｽと一緒ってのが気に食わないけど、初めて魔法大戦の実戦をこの目で見られるんだからな! く～、ﾜｸﾜｸするぜ!」

　教室では、ｻﾞｯﾃｨが場を盛り上げていた。
　視察とはいえ、初めての戦場。
　緊張を消そうとしているんだろう。

　校庭には、生徒と竜がいっぱい集まっている。
　その時突然、僕は誰かに視界をふさがれた。

「こら、ﾌﾘｰｾﾞｲ君? もっとがんばらないと、退学になりますよ?」

　前の時と変わらない。
　聞くだけで、心が安らぐ声……。
　こんな声を出せるのは、世界に一人しかいない。

「ﾐ…ﾐｼｱﾚｼｱかい?」
「あったり～」

　振り返ると、前の時と同じく、天使のような笑顔の彼女が、そこにいた。
　ﾐｼｱﾚｼｱが、僕の手を握りしめてきた。

「ねえ、ﾌﾘｰｾﾞｲ……?」
「な…なんだい?」

　前の時、僕は告白されるのかと思い込んで、胸をはずませたんだった……。

「最近のﾌﾘｰｾﾞｲ、なんだかﾎﾞｰっとしてない? もっとがんばらないとﾀﾞﾒよ?」
「が…がんばってるつもりだけど?」
「ううん、もっとよ! あなたは、偉大な両親の息子なんだから」

　ﾐｼｱﾚｼｱまで、他のみんなと同じことを言う。前の時は、そのことにｼｮｯｸを受けたが、今回はあらかじめわかっていたので動じることはなかった。
　何も言い返せないのは、前の時と変わらなかったけれど。

「あっ。また、ﾎﾞｰっとしてたでしょ? ねえ、聞いてるの?」
「あ…、ごめん、聞いてるよ」
「もう……。時々、あなたが何を考えてるのか、わからなくなっちゃうわ」

　出発の時間を迎えており、周囲では生徒たちが竜に乗り、続々と大空へ飛び立っている。

「そろそろ時間ね。私たちも行きましょ?」

　ﾐｼｱﾚｼｱが、竜に乗り飛び立っていく。
　それに続くように、僕もｻﾙﾊﾞに乗って、大空へ飛び立った。

─End of Scene─

次回行動選択
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