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竜頭の樹上 固有秘蹟
アリィ勝利時

 何かに強く弾かれるような感触。 その反動に眉をしかめ、しかし弾かれつつも通ったという、 そんな手応えに、○○はアリィの様子を窺う。

「…………」

 見れば、アリィの髪を覆っていた稲光は薄れ、 手にした枝からは桜の花びらが散り終わっていた。
 アリィ自身はこちらの攻撃を受けていても全く平気そうな顔だが、その身体に帯びていた力は明らかに弱まっているように見える。
 もう少しか。○○は慎重に武器を構え直し、 アリィの隙を窺いつつじりじりと横へと回り込もうとして、

「もう結構です」

 遠くからの老師の声に動きを止めた。

「アリィさんの方は、もう大丈夫でしょう。○○さん、 ご苦労さまでした。アリィさん、こちらへ」

 老師はひょこひょことした動きでこちらに歩み寄りつつ、 アリィを手招きする。素直にとことこ傍へと移動したアリィに、 老師は軽く手をかざしたり、 未だ蒼白い輝きを残すアリィの長い髪の毛を確かめるように眺め 、

「大体安定してきましたな。では、次は──」

「俺か。つか、出来れば○○の方と戦いたいんだけど!!  さっきの見てたらアリィどうみても手加減とかしてくれなさそうだし!!」

「これ以上○○さんの手を煩わせるのも申し訳ないですしな。 では、アリィさん」

「あい」

 アリィがエンダーの方を振り返り、枝をぶんと一度振る。 その仕草に併せて、枝先から再度桜の花びらが大量に咲き、 そして彼女の身体を彩るように舞い始める。 彼女の髪がまた帯電するような光を生み、 周囲の空間がちりちりと耳障りな音を立てた。

「おい! 全然弱まってない件!! それ以前に、 俺の固有奇蹟ってなんか直接的に戦う力が上がるとかそんな感じじゃ全然無さそうなんだけど!!」

 わーわーと騒ぐエンダーに、一歩一歩と迫っていくアリィ。 別段表情が鬼気迫るという風な事は一切無いのだが、 その何気ない動きが物凄い威圧感を醸し出している。
 が、○○にしてみればもう他人事だ。 先刻の戦闘で得た疲労をほぐすように身体を伸ばすと、 "堂"に続く階段に腰を下ろし、のんびり観戦する事にした。

「あっー」

 わー、なんか吹っ飛んでるわー。

─End of Scene─





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