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エルアーク:西門の護り手

 白色の毛に覆われた四足の獣。まんまるな身体がむっくりと立ち上がり、 半ば腰と足を平地に密着させた妙に安定感のある姿勢で直立を維持すると、 んー、と喉元を一度膨らませてから、かぱっと口を開いた。

 瞬間。白熱した光の柱がそこから放たれ、正面に居た霧の獣を横薙ぎに払う。 獣は胴を一撃で失い、 残った頭部と足も一拍と持たずにそのまま崩れて完全に消滅した。

「今のが“フォトンフラックス”。凝縮した光の束で敵を貫く術式です。 光の術式は炎と同様、ダメージを重視した構成となっていますが、 主となる状態変化は“ショック”。持続時間は一瞬しかありませんか、 一応は行動阻害に分類するものとなっています。 “ヒーリングライト”等の治癒術式や、仲間の素早さを上昇させる “ヘイスト”のような、敵ではなく味方に影響を与える術式などを持ち、 しかし“ウェット”状態の敵に大ダメージを与えるような、 威力上昇の要素も兼ね備える。つまり氷や闇よりは攻め、 しかし炎よりは守りに重きを置いた属性。 それが光属性の術式と考えて頂いて構わないでしょう」

 今日の指導は光の術式についてだ。老師の手により単書に誘われた○○は、 早速老師に従う四獣の一匹、白虎が操る技の数々を見せられていた。

「他の特徴としては、 光は電撃と共に神聖な力としての術式も範疇としますので、 呪詛の“クルーシファー”や“クロスサークル”等には不死体――つまりスケルトンやゴーストといった、 死してなお動く存在に対し、より高い威力が期待できます。 後は電撃ということで、 機械体に対してもその誤動作を誘うという意味で有効でしょう」

 とはいえ、ここでは不死体も機械体も呼び出せませんので、 これに関しては後で自分で確かめて実感していただくしかありませんか、 と老師は付け加えた。

「後は上位術式についての話くらいですが……そうですね。 光属性には“チェインライトニング”というものがありますが、 これは味方との連携を重視した割り込み術式でして――白虎」

 老師がぱんと手を一度鳴らすと、 白虎の正面に湧き出た霧の獣の頭上に突如水の塊が生まれ、 それが落下。獣が半ば霧の身体を砕かれながらも水濡れになる。
 それと同時に、白虎の手が素早く動き、 そこから網のような雷撃が放たれて水に濡れた獣を捉える。 じ、と耳障りな音が強く弾けて、次の瞬間、 霧の獣はあっけなく砕けて消滅した。

「こんな感じですね。あくまで速度、 即座の連携を意識したスキルですので威力の方は控えめですが、 続けてショック状態に持ち込む事が可能なので、 うまくすれば敵の行動を確実に阻害することが可能かもしれません。 この辺りの事を良く考えて使用するとよいでしょう」

 ショックは“ダウン”や“リフト”、“ウェット”等と同様、効果時間が非常に短い。 それによる行動阻害を活かすには、自分を知り、敵を知り、 その上で入念に作戦を組み立てる必要があるという事だろうか。

「そういう事ですね。慣れない内は、 ショックは単なる割り込みによる連携阻害術式用と割り切るのが良いかもし れませんね。防御的割り込みに活用する場合ならば、 そう細かく使用する場面を考える必要もありませんからね」

 ○○の呟きに老師は大きく頷き、そして視線を白虎の方へと向けた。

「では、いつものように実地訓練と参りましょう。 白虎だけを相手はなんでしょうから」

 いやいや、変なものは呼ばなくていい。 慌てて止めようとする○○であったが、 老師は○○の静止の声など綺麗に流して、指を二度。 音が響くのに併せて、白虎の直ぐ傍に稲光が走り、 その輝きは消える事無く空中に留まって、じりじりという音を立てる。

「輝雷。いわば戦う意思持つ雷の塊ですな。 純粋な力の塊ですので、物理的な攻撃はほぼ通じません。 倒す手立てがないなら下手に触れようとせずに守りを固めるのがよいでしょうね 」

 やられっぱなしというのは癪だ。直接攻撃は効かず、 しかし光に満ちた力の塊だというのなら、 あとはその逆の力をぶつけるくらいしか策はないように思えるが……。


「まぁ、好きになさい。兎に角、この子達の攻撃を凌ぐか、 それとも倒すかできれば合格です」

 ***

小さき聖獣が現れた!

老師

 ―See you Next phase―



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