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試練の間



 重い金属製の扉を押し開く。
 ゆっくりと開く大扉のその向こうには一際大きな空間が広がっていた。

「フフフ、とうとうここまで来てしまいましたか」

 その大広間の中央にその人はいた。
 校長でありながら人手不足で受付嬢もこなし、 多忙なのかと思いきや暇があれば昼寝をしている、 アーレイベルグ防衛学園の影の支配者。しかし、名前は未だに知らない。

「夜空の星が囁くように溶けた夜闇が滲み出す、 陰から陰に闊歩する邪悪を追って世界の始末。アーレイベルグ防衛学園、 天に代わって悪即斬!」

 大剣を構え口上を述べる校長。

「ちなみにこれは当学園の標語となっています」

 初耳だ。
 きっと今思いついたに違いない。
 メリルに言わせたらぴったりなんじゃないかと、 ふと思ったりもしたが、頼んでも言ってくれないのは確実だ。

「無駄話はここまでです。さあ、いつでも来なさい」

 途端に空気が冷たくなる。
 実際に気温が下がったわけではないのだろうが、 張り詰めた緊張感が空気を凍てつかせたかのような感覚を覚える。
 もはや退路はないということだ。

背反の裁定者が現れた!




─See you Next phase─

次回行動選択
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