エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集　ﾙｸﾚﾁｱ物語

決戦

『礼拝堂へ』を選択

「ここが礼拝堂だ」

　黒地の扉を前にﾓﾙﾄが告げ、3人がこくりとうなずいた。
　艶のない表面を押すと、扉は抵抗もなく静かに開いた。

「ごきげんよう」

　礼拝堂の内部。
　吹き抜けの天井に足音をこだまさせながら、真紅のﾄﾞﾚｽの魔女ｶﾙﾐﾈﾗがゆらりと立った。
　黒い甲冑の剣士ふたりが、ぴたりと両脇につく。

　ｶﾙﾐﾈﾗの後ろには、聖公ｼｴﾛが立っていた。だが聖公の顔にはまるで蝋人形のように、生気も表情もなかった。

「やはり薬づけにされていたか」

　ﾓﾙﾄが一歩前に出て、聖公ｼｴﾛに一瞥をくれた。

「ｶﾙﾐﾈﾗ。結局は聖公すらも、貴様のあやつり人形にすぎなかったのだな」

「よくわかっているじゃない。それにしても――」

　ｶﾙﾐﾈﾗの視線がｾﾙﾘｱとｴﾙﾆﾉのふたりを往復した。
　透けるような乳白色の肌、細い銀髪――つねにからかうような笑みを含んだ口もと。
　あるいは秘薬の力だろうか、その容姿は10年前とまったく変わらない。

「家族づれで、遠足にでもきたつもり?　それとも勝てる自信があるのかしら?」

「そのつもりだ」

　ﾓﾙﾄが淡々とこたえた。

「生命をもらいにきた」

　一瞬、ｶﾙﾐﾈﾗの顔に、驚きの表情が走った。

「あなたにわたしは殺せない。そのことは、思い知ったはずだけど――そうね、お手並みを拝見させていただくわ」

　ｶﾙﾐﾈﾗがｽｯと右手を上げ、ﾓﾙﾄの背筋に緊張が走った。

「ﾘｭｳｼﾝ！」

　ﾓﾙﾄは……

虚ろなる無機兵(かなり強そう)が現れた!

―See you Next phase―