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ピーテルの夢[デヴリィー家]



○○は西へ進むことにした。

     ***

 進む内、道の先には広い前庭を持つ一軒の屋敷が見えてきた。



「あ、これうちの家じゃん」

 ハリエットが言った。

「大きな屋敷だね」

「そうかな? 普通だと思うけど」

 ハリエットは言ったが、一般的には広い家の部類に入ることは間違いない。
 だが、地方の貴族の邸宅だということを考慮に入れれば、 確かに普通かそれ以下なのかも知れなかった。

○○も一度だけお邪魔したことはあったが、 あの時とはかなりイメージが違って見える。
 落ち葉の山を蹴散らしながら進んだ庭は、 綺麗に掃除されていると何倍にも広く思えた。

 とりあえず玄関に向かって歩くうち、 前方を蝶らしきものが飛んでいるのが目に入る。

「珍しいものが飛んでるね」

 神父がそれを見て言った。ハリエットはひらひらと飛び回るその生物を見て、 ナイフを取り出した。

「蝶……とは少し違う感じ……」

 遠目には蝶に見えたその生物は、しかし、 胴体部分が小さな竜のものになっていた。

「フェアリードラゴンだね。ゼネラルロッツではごく稀に見かけるけど、 ルーメン付近にも生息してるのかな?」

「してません。たぶん図鑑で見たんだと思います……。 ピーテルって、虫の図鑑とか辞典みたいなのが大好きだから。 あいつ、虫博士にでもなるつもりなのかな?」

 ハリエットが言って、溜息をついた。

「良いんじゃないかな。好奇心から調べ物ができるというのは、大事なことだよ」

 ユルバン神父は楽しそうに笑った。

「教会でやってる授業だって、実はそういうことを目的としている。 本当に教えたいのは、自分で物事に興味を持って、 自分で何かを学ぶ方法を身につけてもらうこと。だからここだけの話、 教会で詰め込んだ知識は全部忘れちゃっても良い」

「神父様がそんなことおっしゃって良いんですか?」

「マリーが聞いたら怒るかも知れないので、秘密にして欲しい。 それよりその蝶、こっちに来るみたいだね」

知識の夢



戦闘省略

     ***

 フェアリードラゴンを片付け、ハリエットの家に足を踏み入れる。
 家の中は○○が見た時と殆ど変わらず整然としており、 そして、予想通り誰の姿も無かった。

「えーと、ここからは行くとこ無いよね? 行き止まりみたいなもんだし。あ、 地下室からは西に抜け道があるけど」

「それは現実世界の話だから、多分ここでは関係ないんじゃないかな。 実際には壁や塀があるとしても、今は気合で突き抜けられるかも知れない。 逆に、現実なら道がある場所でも、ピーテル君が入ったことがなければ通行不能かも知れない」

「なんか変な感じだなー」

「家の中が全部再現されているとも限らないし、 廊下の途中から急に別の場所になるかも知れない。 とりあえず、ここでもやはり四方に進めるものと考えるのが良いだろうね」

─See you Next phase─






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