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Phantom Blue






 悲しみには、色がある。狂気に色があるように。
 絶望や憎悪に色があるように。
 それぞれに赤だったり緑だったり、黄色だったり。
 彼女の悲しみは、青だった。
 blue……。
 どこまでも透き通った……

 Phantom Blue


 夜の底で、だれかが泣いている……

 ***

「死ね、小娘」

 女の腕がぎゅっとふくらみ、太い指がさらに深く蒼の首に食い込んだ。
 ぼきっ。
 鈍い音がして、蒼の首ががっくり折れ曲がった。

「蒼ッ!!」

 女は、そのまま蒼の体を、振り向きざま壁に叩きつけた。
 ドカッ!!
 蒼の体は狂ったように跳ね飛び、フロアにひっくり返った。
 あなたとトモキは愕然となって、ぴくりとも動かない蒼を見つめた。
 首や手足はあり得ない角度にねじまがり、まるで壊れた人形だ。
 サングラスは、はじけ飛んで床に転がっている。

「蒼!? 蒼ッ!!」

 あなたは声を限りに呼びかけるが、彼女は返事をしない。ぴくりとも動かない。
 当たり前だ、あんな姿になって生きていられる生き物はいない。いるわけがない。

「フ……、バカどもめ。本気で、あたしたちに立ち向かえるとでも?」

 女はあなたをじっと見すえて、にまあ、と笑みを浮かべると、ゆっくりと近づいてきた。

 どんよりとした空には、赤く大きな丸い月。
 時おり、遠雷が聞こえてくる。
 初夏。
 ひと気のない夜の公園を、あなたはひとりで歩いている。
 部活でつい遅くなり、普段ならさけて通る近道の公園を突っ切ることにしたのだが。
 街灯も少なく、木々の影に囲まれ、あたりは暗い。
 おそろしく暗い。
 風もなく空気はよどみ、土を踏む自分のかすかな足音。
 そして、虫の音。
 あなたは最近耳にしたウワサのことを思い出した。
 公園で奇妙な人影を見たとか。無残に殺された野良猫や野鳥の死骸が、このところよく見つかるとか。

 ふと、あなたは足を止めた。なにかが気になった。
 虫の音。
 さっきまで聞こえていた虫たちの鳴き声がぴたりとやんでいた。
 いまは怖いまでの静けさに包まれている。
 月の顔を、ゆっくりと雲がおおいかくしてゆく。
 突然、激しい犬の吠え声があがって、あなたは飛び上がった。
 野犬? なんだって、あんなに激しく吠えてるんだ?
 声の聞こえて来る茂みの向こうの闇を、あなたはうかがった。
 ギャン! と、大きな鳴き声が一つあがって、犬の声はぴたりと止んだ。
 辺りは何事もなかったように静まり返った。
 なんだ? 何があった?


─See you Next phase─


次回行動選択

・まだ決めていない
・風まかせ
・犬の声のした方に向かう
・犬の声のした方から遠ざかる
・来た道を引き返す





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