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大崎


 僕の知る東京では、大崎は再開発が進んで、高層ビルが立ち並ぶ。
 一方、駅から少し離れると、かつての工場地帯の面影が姿を現す。
 そんな、二つの顔を持つ街だ。

 でも、大崎にたどり着いたとき呆然《ぼうぜん》とした。
 目の前には、焼け焦げて真っ黒な瓦礫しかなかった。

 僕たちが立つ、この場所に巨大な爆弾が落とされたらしい。
 足元は、ほかよりひときわ激しく焼けこげ、えぐれていた。

 すべての建物は、この爆心から放射状になぎ倒されたいた。
 焼けつくされて、見晴らしの良くなった地平線に、巨大な夕日が沈んでいく。
 そのオレンジ色の光に染められて、辺りの瓦礫の黒さが一層強くなった。

 すべての終焉。
 この景色を見ていると、そんな言葉が頭に浮かんだ。

 あたりには僕たち以外、誰もいなかった。
 本当にこんなところに製造工場があるのだろうか?
 予想以上の被害に、先行きの不安を覚え、僕たちは立ちつくしていた。
 その時、僕たちの前を見覚えのあるトラックが通り過ぎて行った。
 監獄島で見かけたことがあるトラックだ。

 トラックが現れた方へ目を凝らすと、 遠くに同じトラックがもう一台止まっているのが見えた。
 僕たちはそこへ向かって見ることにした。

 瓦礫の陰から、トラックの様子をうかがう。
 瓦礫で隠すように地下へ続くハッチが開け放たれていた。
 そこから、数人の作業員が段ボールを運び、トラックに詰めていた。

 トラックにも、段ボールにも何も書かれてはいなかった。
 でも、あたりに立ちこめる臭いは、隠せない。

 間違いない。
 あのハッチの奥が、エアゾール製造工場だ。

 たくさんの段ボールを詰め込んで、もう一台のトラックもやがて、 どこかへ出発していった。

 トラックを見送った作業員が、慎重にあたりを確認して、ハッチの中へ戻ろうとしていた。

 今しかない!

 僕は、素早く作業員の背後に近づき、そいつを殴って、気絶させた。

 僕たちは、作業員を縛りあげて、瓦礫の中に隠すと、開け放たれたハッチをくぐった。

 内部は、地下へ続く細く長い階段が永遠に近づいていた。
 緊張と恐怖で、全身から汗がにじむ。
 永遠に続くかと思った階段が終わり、通路に出た。

 急いでエアゾールを製造する機械の中枢部を探さなければ。

 しかし、僕たちの行く手には、大量の見覚えのあるモンスターが待ち受けていた。
 僕たちが生産したモンスターだ。
 まるで、自分で自分の首をしめているかのような感覚だ。
 でも、自分の作った兵器にやられてたまるか。

−End of Scene−


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