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マツタニを誘う1

 今日も僕は、生物兵器の動作チェックに駆り出される。
 いい加減、恐怖心は無くなってきたが、 それと引き換えに大切な何かが削り取られているような気がする。
 動作チェックの対象を目の前にして、僕は機械的に考察を止めた。


試作T型



 ○○は賃金として20zelを得た

 モンスターを倒した後、その場はやけに静まり返っていた。
 不気味な雰囲気に、僕は思わず立ち止まる。
 そして、背後に人の気配――。

「お前か? スギヤマさんの紹介ってのは」

 振り返ると、薄闇の中に、細身の若い男が立っていた。
 年齢は20代前半――僕と同じくらいか、もっと若いか。
 顔は傷だらけで、眼つきは鋭い。
 あまり友好的な雰囲気は感じられない。

「僕は名波 岳(○○)。この工場からの脱出を計画している者だ。 どうか、君の力を貸してほしい」

 きっぱりと、そして静かに、僕は自分の意思を告げた。

「俺はマツタニだ。戦闘を得意としている。協力してやってもいいが、条件がある」

 どうやら、話は早そうだ。

「『火炎袋』を一つ、俺にくれ。そうしたらその脱獄に協力してやる」

─See you Next phase─


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