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幻の中の幻

 ふと思い、動きを止める。

「○○さんに、エンダーさん、そしてアリィさん」

 彼等が書に関する異常現象に出くわすのはこれで二度目だ。
 こういった事件が起きる頻度が最近増えてきたといっても、それはあくまで過去と比べてという話で、実際にその場に居合わせる確率などさてどれ程のものか、計算するのも馬鹿らしい程だ。
 だというのに、彼等はこの短期間に既に二度も──エンダーとアリィは顕現時の件も合わせてという事になるが──遭遇している。

 ──これは果たして偶然なのか。

「…………」

 そこまで考えて、ツヴァイは内心苦笑する。
 既に二度、とは言ったものの、裏を返せば、たかが二度、とも言えてしまう。
 偶然だと考える方が、或いは別の要因があると考える方が、まだ自然かもしれない。
 けれども、

「期待くらいは」

 しても、良いのかも知れない。
 状況を打破するための鍵。例え外れだとしても別段不利益を被る訳でもない。

「……そろそろ、本格的に動いてみましょうか」

 近く、ひとつの古い群書、少しばかり問題のある群書の記名期間がやってくる。その時に合わせて、彼等に少し話を振ってみる事にしよう。
 それに頷いてくれるなら良し。断られたら断られたで、ならば自分だけで動くか、折り良くこちらへ戻ってきた“迷い人”が居たなら、彼等に協力を頼むか。

(まぁ、それも、この“竜の迷宮”に対する調査結果次第ですけれど、ね)

 ツヴァイは吐息一つで気持ちを切り替えると、目の前に置かれた書への干渉に意識を集中させた。

─End of Scene─







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