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荒廃した屋内 |
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♪遠く離れていても、つながっているのかな? お台場で最後に聞いた、この夏のヒットチューンが突然鳴り響く。 携帯のメールの着信音だ。でも、いったい誰から? この戦時下の東京で、僕にメールをよこしてくるような心当たりなんてない。 いったい誰から? いつものとおり、自室で倒れたまま高い窓を眺めていた僕は、好奇心から、 ほとんど残ってない力を振り絞って携帯を確認する。 「私たちは出会う運命なんだよ。 スズ」 見知らぬアドレス、見知らぬ名前。 間違えメール? それとも迷惑メール? でも、『運命』という単語に期待してしまう僕がいた。 誰にもつながらないこの場所で、時空を越えて、誰かからメールが届いた。 それだけで事態は十分運命的だ。 メールには「明日、食堂の中央テーブルで待ってる」と書いてあった。 明日は、2チームの食事が一緒になる日だ。 もともと少ない食事の分け前が、一層減る、うれしくない日だ。 でも、食堂の混雑がひどいから、監視の目は緩む。 中央テーブルでなら、 監視の目を盗んで会話を交わすこともできるかも。 これは、もしかして、もしかするぞ! 期待と、妄想で胸が踊る。目に入る景色が、なんだかほんのりピンク色だ。 こんな感覚、いったい何日ぶりだろう。 もしばれたら、僕はまたリンチだ。下手したら殺されるかもしれない。 運命の出会いの日は迫る。 ーEnd of Sceneー |
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