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答えはひとつ 「まだ決めていない」 |
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スズは、天使の携帯からメールを送信した。 僕は、スズに一歩近づく。いたずらっぽい表情で、 問いかけるスズ。 「じゃ、待ち合わせは?」 これまで、何度となく聞いた、あのサイレンが響き始める。 僕はまた一歩、スズに近づく。 「決まっている。僕たちの思い出の場所だ」 ♪遠く離れていても、つながっているのかな? 僕の携帯にメールが届いた。 僕はスズの前に立つ。 スズは僕を熱っぽく見つめて言う。 「あの時の?」 うなずく僕。微笑むスズ。 僕とスズは互いに見つめあった。 ずっと、この笑顔を見続けたい。 この笑顔を守るためなら、僕は何だってできる。 聞きなれたサイレンが、けたたましく鳴り響き続けていた。 スズの瞳から、静かに涙があふれた。 使命を果たした達成感を漂わせるスズは、本当に美しかった。 そんなスズに触れたくて、僕は思わず腕を伸ばす。 その時、微笑むスズの表情が、手のひらを返したように、 凍りついた。 僕は、巨大な違和感と、スズの拒絶を察知した。 スズは冷たくつぶやいたんだ。 「さようなら」 −−なぜ? 虚をつかれた僕。 スズへ伸ばした腕をとめることもできないほどの一瞬。 スズは携帯のボタンを押した。 削除・・・・・・デリート。 僕の両腕は、スズをすり抜ける。 −−僕はこの世界から消滅した。 こうしてスズは、新たな“天使”になった。 何度目かの重苦しい漆黒の闇の中、 何度も聞いたサイレンが不快にけたたましく鳴り響いていた。 −End of Scene− 意識の狭間 次回6時間更新 選択肢なし |
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