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ファミリオ |
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灰色のものを拾うを選択 「空の燃料瓶だ。そんなモン拾ってどうする!」 リュウシンにたしなめられた。 地面に這いつくばって爆発の方をみる。 ☆○○○は燃料ボトルを手に入れた! 夜空を紅く彩る幾本もの火柱。 爆薬によるものじゃなかった。 ファミリオはまたたく間に焔の海と化し、わたしたち3人の周囲も、 紅色の光につつまれる。 「カルミネラのしわざだ。間違いない――あれは錬金魔術の技だ」 モルトが歯がみした。 攻撃はひっきりなしにつづき、この場所から一歩も動けない。 突然、降りそそぐ焔がすっと退いた。ざざざっ。前方に、 無数のうごめきがあった。 「あれは――!」 焔煙の壁が晴れた。 平和な村ファミリオは、1個連隊はあろうかという、 紺碧の軍隊に埋めつくされていた。 *** 「リュウシン!」 リュウシンの仲間のひとりが、エルニノを連れて駆けてきた。 「シモン、エルニノ! 無事か! ほかのみんなは!?」 シモンと呼ばれた若者は、胸に大ケガをしていた。 リュウシンが駆けよって介抱する。 「オレが最後のひとりだ。子どもたちも……みんな殺された――」 ――そんな! 言い終えると、若者は目を閉じた。リュウシンが無言で首をふった。 焦げくさい煙がたちこめ、周囲のざわめきが増してゆく。 ――いた、包囲するぞ! ――エルニノさまをお連れしろ! みつかった!? 紺碧の制服のルクレチア共和国軍の兵士たちが銃をかまえ、 じわじわと包囲の輪をせばめる。 「セルリア?」 「しっ!」 ――わたしは、無力だ。 涙があふれてきた。 エルニノの手をとって、ただがくがくと震えていた。 そのとき、モルトがすっとわたしの前に立った。楯をかまえて。 リュウシンも立ちあがった。 「本物の“戦争”だ。外国人部隊にいたころを思いだすぜ」 モルトが鋭い目つきで、こくりとうなずいた。 「ブラックベレー時代には、これ以上の敵に囲まれたこともある」 モルトが楯のうしろに、わたしをかばいながら言った。 世界でいちばん頼もしい背中だった。 「セルリア、生きてここから逃げる! エルニノの手を離すな!」 ─End of Scene─ |
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