エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集　ﾙｸﾚﾁｱ物語

告白

「――そして10年間、ｵﾚは辺境の地をさすらいつづけた。そしてｾﾙﾘｱ、きみと出逢った」

　ﾓﾙﾄの長い話が終わりにさしかかった。

「ｵﾚは武器を捨て、二度と人を殺さぬことを誓った。この棺は、それを忘れぬための重荷――人が背負うべき“死” の重みなんだ」

　ﾓﾙﾄの目撃した真実。

　声がでなかった。
　ｴﾙﾆﾉはｶﾙﾐﾈﾗによって、“作られた”救世主だったというの?
　ねえ、ｸｵﾚ……

「そんな!　魔法の薬で都合よく人間を変えてしまうことなんか、できるわけがない!」

　ﾓﾙﾄは、肺腑の奥から押しだすような、深い溜息をついた。

「いや、ｵﾚ自身がその証拠だ」

「どういうこと?」

「なぜならｵﾚはすでに、人間ではないからだ」

　――人間じゃない?　どういう意味?

「ｵﾚは魔女ｶﾙﾐﾈﾗの手で魔獣の組織を移植された“不死身の兵士” ――ｽﾄﾗﾙﾄﾞﾌﾞﾗｸﾞなんだ」

─See you Next phase─