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| ｾﾙﾘｱの章 ｺｷﾞﾄ |
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ねえ、ｸｵﾚ。 わたし、何やってるんだろ? 「じゃ、もう1枚撮りますよー。はい、ﾁｰｽﾞ!」 戦場の取材にきたはずなのに、いつのまにか“救世主” ｴﾙﾆﾉさまの記念写真撮影会。 ぱしゃっ。 その瞬間、ｴﾙﾆﾉさまの護衛の黒騎士が、突然くずおれた。 ――貧血? ﾌｧｲﾝﾀﾞｰから目をはずす。 黒い甲冑の継ぎ目にﾅｲﾌが刺さり、 血だまりが石畳に広がっていくのがみえた。 「“ｺｷﾞﾄ”の者だ! 民間人に手を出すつもりはない!」 よく通る声が聞こえ、どん、と突き飛ばされた。 すぐそばを、ｵﾚﾝｼﾞ色のﾊﾞﾝﾀﾞﾅを頭に巻いた数人の男女が駆けぬける。 ――ﾃﾛﾘｽﾄ! 市場は一瞬にして阿鼻叫喚の地獄と化し、 ﾃﾛﾘｽﾄと黒い神衛隊の戦闘がはじまった。 ――そうだ、写真! あわててｶﾒﾗをむける。 「ﾘｭｳｼﾝ、頼んだよ!」 「おうよ!」 ﾘｭｳｼﾝと呼ばれた引きしまった身体つきのﾃﾛﾘｽﾄが一瞬でﾌｧｲﾝﾀﾞｰを横切る。 黒騎士たちの応戦。聖公神衛隊の大剣が3つの鋭い弧をえがく。 攻撃側は訓練された動きで難なくよけ、2本の戦闘用ﾅｲﾌを同時に思いきり突きたてる。 甲冑の継ぎ目から、勢いよく血が噴きだした。  「――!」 ｼｬｯﾀｰを押すのと同時に、目をつぶった。そのとき―― 「ﾘｰﾀﾞｰ、早くｴﾙﾆﾉを!」 そばで女性の声がした――ｴﾙﾆﾉさまを拉致するつもりだ! ｶﾒﾗから目をはずす。 ﾘｭｳｼﾝと呼ばれたﾃﾛﾘｽﾄのﾘｰﾀﾞｰ格は、 きょとんと立ちつくすｴﾙﾆﾉさまを抱きかかえ、 仲間たちの方に駆けもどった。 あとを追う黒い甲冑の剣士たちを、銃弾と投擲用ﾅｲﾌが襲う。 *** ――強い! 今度のﾃﾛﾘｽﾄは手練れぞろいだった。 聖公神衛隊の黒騎士はみる間に全員が息絶え…… 「――!?」 ﾊﾞﾝﾀﾞﾅのﾃﾛﾘｽﾄたちが、大きく目をみひらいた。 「ﾊﾞｶな、生きてるはずが!」 「こいつら、不死身か!?」 死んだはずの黒騎士たちが、ゆっくりと立ちあがり―― 石畳をみずからの血で真っ赤に染めながら、 その場にいた人々を無差別に攻撃しはじめた! ─See you Next phase─ |
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