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鬼腕6戦目
勝利

集約の波動

     ***

「それまで!!」

 いつもの終了を告げる合図。
 だが、その後の反応がいつもとは違った。
 大歓声。〇〇を称える無数の声が観客席から立ち上がる。

「……?」

 いつもより上手く戦えていたのだろうか。
 理由が判らず、首を傾げながら闘技場の外、 鬼腕が待っていた通路へと戻ると、 竜人の彼は長く裂けた口の根元をにやりと釣り上げながら教えてくれた。

「今の試合で、お前が今回の連試合の優勝者だと決定したからだ」

「…………」

 ああ、そういえばそんな設定だったか、と〇〇はぽんと手を打つ。
 しかし、いつもいつも試合だけをして箱舟へと戻る、というのを繰り返していたものだから、 今までの試合が連続したつながりを持つものだという感覚が薄かった。

「それは判らないでもないがな。実際、 自分達はあくまで連試合の各対戦の場面に割り込む形で入り込んでいたから、 これまでの勝利数に関わらず、ここで引き分けるか、 勝ちさえすれば優勝になっていた」

 ズルじゃないかそれ。

「逆に言えば、話に入り込んだ時点で既に負け確定の連試合、 というのもあるがな。その場合は、連試合の始めの部分から進入して、 栞に情報を残しつつ最後まで通して物事を進め、物語を改変させる必要がある」

 そういう話を聞くと、書の外から進入し、介入する自分たちが所謂“強者” であることがはっきりと理解できる。

「もっとも、そうした強引な技が通じるのは、 一つの物語で世界が完結する単書だからこそだが…… その辺りの話は今は良いだろう」

 鬼腕はごふ、と軽く咳払いをすると、身を正し、 改めて〇〇を真っ直ぐに見下ろす。

「この連試合で、戦闘に置ける大体の立ち回りは理解できたのではないか。 各武器の特色、状態異常、集団戦時の割り込み、呪詛、耐性低下。 そして最後に集団による役割分担と、集束の力」

「…………」

 今日の試合を思い出す。あの魔術師と軽戦士の二人から感じた、 異様なまでの力の膨張。

「所謂、必殺の力だな。気を練り上げ、精神を集中し、力を放つ。 集束技法や集束術式と呼ばれるそれらは、集中力を高める事で、 飛躍的にその威力を上昇させることができる。今回の試合は、 それに対する策を考える必要があった」

 集中を補助する歌い手を先に封じるか、敵の集中力自体を低下させるか。 力が完全に勝っているなら、敵に行動すらさせずに蹴散らす。 選択肢はいくつもあった。
 あとはそれをどう選び、どう実行するか。自分が今ここにこうしている事が、 その結果だ。

「とにかく、お前は今までの試合の全てにある程度の力を示した。──合格だ。 ここまで出来るならば、後は己の力だけでも先へと進んでいけるだろう」

 言って、鬼腕がひょいと何かを投げ寄越してきた。いきなりの事に、 〇〇は幾度か手の中でそれをお手玉して、漸く掴む。中を見れば、 何かの技について書かれた巻物だった。

「餞別だ。もう少し力を積んだら、 自分と本格的にやりあってみるのも悪くはないと思うが、どうか?」

 いや、何だか恐ろしいのでやりたくないです。

「残念だ。……まぁ、自分とやりあうのはまた別として、 もう一度この連試合をやりたくなったら言うといい。案内はしてやろう」

     ***

〇〇はペネトレイトリアクションを習得した!
〇〇はインパクトリアクションを習得した!
〇〇はセヴァーリアクションを習得した!

─End of Scene─



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