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鬼腕6戦目 集約の波動 |
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闘技場の中央。 四方から鳴り響く歓声に服をなびかせながら、〇〇は両腕を組んでただ敵を待つ。 『さて、今回お前のために選んだ連試合も、この一戦で締めだ』 目を閉じたまま無言。 控えの建物から通路を渡り、 闘技場へとやってくる間に鬼腕から語られた事を反芻する。 『今回の相手は、この闘技場では有名なチームだ。冒険者上がりの四人組で、 今は更に上位の闘技場へと進むために戦績を稼いでいるという“設定”だったか』 闘技場を囲う観客席からの声が一段と高まった。 閉じていた目を開くと、正面。自分が通ってきたものとは別の通路から、 四つの影が姿を現すのが見えた。 『構成は騎士、軽戦士、魔術師、吟遊詩人。騎士が味方を守り、 後の者が攻撃する。これは二戦目の三人組の時と近いか』 何処からか聞こえてくる、対戦相手となる者達の名を順々に告げる声。 それは客席からの歓声に遮られて、〇〇の耳には殆ど届かなかった。 だが、〇〇にしてみればそんな事はどうでも良かった。 彼らの名前など知ったところで意味は無い。考えるべきは彼らがどう動き、 そして自分が彼らをどう叩くか。〇〇は愛用の武器を手に取った。 『だが、今日の相手はもう少し複雑だ。単純な守り手と攻め手という二種の構成ではなく、 防御、攻撃を務める者に、もう一つ。補助する者達がいる。 彼らの技が、守るものと攻めるものの力を大きく高めるだろう。 それを身体で知るのが今日の戦いの肝ではあるな』 中央に立つ〇〇へと、四人がゆっくりと近づいてくる。 前に一人。その僅かに後ろ、左右に二人、そして少し離れて最奥に一人。 それが彼らの陣形だった。 『助言をするなら……そうだな。あのチームには要が存在する。そいつが動く前に倒すか、 無力化する事ができれば何とかなるだろう。勿論、逆に言えば』 (その要を何とかできなければ敗北する、という事か) 要。 定石ならば、最後衛に配された魔術師。だが最奥を狙うには、 守り手たる騎士をどうにかする必要があるが……。 『では、行ってこい。奴等と対等に戦う事ができたなら、 戦いの基本については学び終えたと言って良いだろう。健闘を祈る』 鬼腕の最後の言葉を思い返すと同時に、眼前の敵が動き出す。 *** チーム“エクリプス”が現れた! ─See you Next phase─ |
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