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鬼腕4戦目
疎まれし花

 何だあれは。

 竜人、鬼腕と共に控え室から闘技場へと続く通路へと入り、 暫く。闘技場と通路の境、 区切りとなる小階段の手前までやってきた〇〇は、 闘技場の中央でゆらゆらと揺れる不気味な影に思わず仰け反った。

「あれが、今回の対戦相手になる。 この辺の下位の闘技場ではよく出てくる奴だ」

 濃い色の煙のようなものが闘技場全体に充満していた。 〇〇は目を凝らし、なんとかその煙の向こうを見通そうとする。
 その影の正体は──どうやら花。植物のようだった。

「ここの運営側が品種改良して造った特別製でな。毒、猛毒、睡眠、 あと石化。その辺の特別な効果を持つ花粉をばら撒いて、 動けなくなった獲物を蔦で捕らえる。 素人に毛の生えた程度の奴等相手に使われる、 嗜虐趣味のある観客向けのショウ用という“設定”だな」

 闘技場から、〇〇の名が呼ばれるのが聴こえた。 どうやら出番らしいが、 その話を聞いた後でこの煙の中へと突っ込むのは気が進まない。
 鬼腕はこの相手と戦うとき、いったいどうしていたのだろうか。
 助言役であると自分で言っていた鬼腕。それを期待し訊ねてみるが、

「戦ったことは何度もあるが…… 自分には毒とかそういったものは効かぬしな。 これといったアドバイスはしづらい。お前自身が対策を練るしかない」

 役に立たないにも程がある。しっかりしろ助言役。

「……なら、そうだな。奴が使う花粉の順番くらいは教えておこうか。 猛毒、毒、猛毒、石化、猛毒の花粉の順だ。 あと攻撃を仕掛けると睡眠の花粉を吐く。 毒と猛毒の違いは蓄積するかしないか。 猛毒は状況が進行するとダメージがどんどん上昇するらしい……?  石化、毒共に戦闘の後も効果が残るからその辺りも気をつける必要がある……か?」

 何故最後に疑問符が。

「なにせ、自分には毒等は通じないからな。 受けた事のないものについて断言する訳にもいくまい。とにかく、毒、 石化、睡眠に対する対策を練って戦わねば痛い目に遭うことになる。 最悪引き分けを狙うならば……注意すべきは猛毒だな。 ここさえ押さえておけば、倒されることはないだろう」

 しかし、対策を練れといわれても、もう試合が始まる寸前なのだが。

「自分が言えるのはここまでだな。まぁ、限られた時間、状況の中、 対策を考えるというのも良い経験になるだろう」

 鬼腕はそういって、ひらひらと巨大な掌を上下に振る。 更に闘技場の方から呼ばれる自分の名前。

「……はぁ」

 仕方ない。
 〇〇は溜息を一つついてから、闘技場へ続く階段へと足を伸ばした。

     ***

濃く蝕む香りが現れた!

鬼腕

─See you Next phase─


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