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基礎戦術論IV


 講義の開始を知らせる鐘が鳴ると、 扉の前で待ち構えていたかのように 、すぐさま教官が教室に入ってきた。

「では、講義を始める。今回のテーマはタ ーゲットだ。といっても、基本的な部分 は既に幾つかスキルを使ってみて把握し ているだろうから、少し実践に近いと ころから入るぞ」

 教官はいつものポジションで腕を組む。

「この講義を受けているということ は、既に狼や兎とは戦ったことがあ るな? 奴らの攻撃パターンについて何か 気づいたことはないか?」

 そう言われてみると、一人を集中 的に攻撃する傾向があったような。

「そうだ。奴らは賢いので敵の中 で最も弱い者から順に攻撃しよう とする。各個撃破だな。そうする ことによって戦果は戦力差より も大きくなる。具体的には体力 と防御力の低い者を優先的に攻撃する」

 群れで獲物を狙う肉食動物の戦術だ 。……兎は草食ではなかったか。

「さて、こんな奴らが戦う相手 の時、金属鎧が使えず体力も防 御力も低くなりがちな術式使い はどうすればいいか。簡単なの は後衛に下がること。相手の攻 撃の届かないところにいればター ゲットにはならない。しかし、敵 が飛び道具を使用する場合、こ れだけでは不十分だ。そこで重 要なのが気配を操作することだ 。歩く度にじゃらじゃらとやかま しい鎧を着れば気配は上がるし、黒塗 りの目立たないコートを着れば気配は下 がる。それから、手甲スキルのプロヴォーク や弓スキルのステルス、カモフラージュなど気配を 操作できるスキルもある。気配が高い者 は敵のターゲットになりやすく、低い者は なりにくい。重装備の者が気配を上げ て敵の注意を引き付ければ、軽装の者 には攻撃がいかないってわけだ。これ は各個撃破戦術をとる敵にも有効だ。但 し、そういった賢い敵の注意を引き付け るにはそれなりに高い気配が必要だが な。戦う前に食べると臭う食事を取る って手もあるな」

 そういうと教官は豪快に笑った。

「前衛が後衛を護る方法はもう一つあ る。剣スキルのディフレクトや盾スキルのプロテクト を使用し、後衛に行くはずの攻撃を、 自ら間に割って入り受け止めるとい う方法だ。但し、これは後衛に対す る攻撃を前衛が護る方法で、横に並 んでたり、位置が逆だとかばえない からな。それに、一体の敵をターゲット にした攻撃しか防げないぞ。全体攻 撃を全部自分が引き受けますって のは無理があるからな」

 また豪快に笑う教官。

「ついでに、攻撃をそらす他の手 段も紹介しておくか。どれも楽器 の複合スキルになるが、まずはウィンド バリアとヴェイパートレイル。これらのスキル は敵の遠隔攻撃を風圧の障壁によ ってターゲットをそらすことで無効化 してしまう効果がある。但し、 近接攻撃や純粋な魔法攻撃には 効果がない。矢とかトゲとかそん なもの専用だな。そして、無効 化できるのは一回限りだ」

 いつも通り、弓を射るポーズをとる教官。

「次にリフレクトとフォトケミカルスモッグ。こっち は敵の魔法攻撃を反射する。おっと、 訂正。敵のも味方のも自分のも、攻撃 も回復もそれ以外の魔法もだ。全ての 魔法を反射して、撃ってきた相手に返 す。自分で自分に撃った場合はどこか に飛んでいってしまうがな。なお、魔 法ってのは熱、冷気、光、闇の4属性 だけだ。精神波――要するに歌だな― ―は反射できない。物理属性が混じっ た攻撃も反射できない。そして、こっ ちも反射できるのは一回限りだ」

 ここで教官は時計を見ると、咳払いをした。

「ウィンドバリアのせいで話が横道に それてしまった。敵のターゲットの 仕方に話を戻すぞ。先程の各個 撃破戦術をする敵、まあ言って みれば、イジメが好きな敵の他に も、自己中心的な敵や、異性ば かり狙う敵なんてのもいる」

 人間と戦うことになればそんな相手もいそうだ。

「自己中な敵というのは、 自分の攻撃が最も効きそう な相手を選んで攻撃する。 まあ、大抵は防御力の低い相 手を狙うからイジメタイプとかぶ るんだが、たとえあとちょっ とで倒せそうな相手がいても 、それを無視して別の相手を攻撃す ることがある。それから、異性ば かりを狙う敵ってのは、デモノイドな んかにたまにいるんだが、相手に 異性がいると優先して狙ってくる 。更にその中でも魅力が高い者ほ ど狙われやすい。まあ、同性が二 人いて自分が狙われなくてもがっ かりすることはないぞ。むしろ喜べ」

 素直に喜べない気がする。

「なお、虫や植物のようなのんびり 生きてる連中は、ターゲットもなんとな くで選んでる。こういう連中は気配 の効果もよくでるし、危険度は少な いな。しかし、中には賢い奴もいる かもしれないので油断は禁物だ。よ し、今回はここまで……おっと、レヘ ゙ル4のボスについて触れてなかったな 。とはいえ、今回はボス戦そのもの よりも、そこへ至る過程で何をして 、何を手に入れたかの方が重要なの で、戦術については特に言うことはないな。よし、解散」


─End of Scene─


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