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基礎戦術論III


 講義の開始を知らせる鐘が鳴ると、 すぐに教官が教室に入ってきた。

「では、講義を始める。今回のテーマはフ ゚リペアだ。少々高度なテクニックなので、ま だ使えない者もいるだろうが、敵に大 ダメージを与える重要な技だ」

 教官はいつものように教壇の前に腕を組んで立った。

「プリペアとはスキルの一種だ。冷気系 や闇系の技量を鍛錬している者なら 、既に習得しているだろう。クリップル やブラックアウトがそれだ。プリペアスキルは アクティブスキルと異なり、ここで出すと 決めて出す技ではない。敵や味方の 行動に対して反射的に使用する技だ」

 意識せずに技が出るということら しい。そんな技をうまく使いこなせ るのだろうか。

「プリペアの使い方は二つ。一つ目 。敵が味方に連携攻撃をしようと した時に、それを妨害する」

 教官は黒板に向き直り、A、B、 その下に一段ずらして、C、Dと書 く。そして、CとDからBへ矢印を、 AからDへ矢印を引く。

「Aが自分、Bは味方、CとDが敵 だ。CがBを攻撃、続いてDがBに 攻撃をしてこれが連携する。こ の時、Cの攻撃直後にDの攻撃に 先んじてDをAが攻撃すると、連 携は失敗になる。このAの攻撃 がプリペアだ。クリップルやブラックアウト を使った場合はDの攻撃そのものが 失敗に終わるので、更にお得だな」

 続いて、教官は先程引いた矢印を 消し、今度はAとBからCへ矢印を引く。

「使い方二つ目。今度はBが Cに対して攻撃するとする。 そして、その攻撃の直後にAがフ ゚リペアスキルをCに叩き込むと連携す る場合だ。いわゆる追い撃ちと いう奴だな。これはクリップルやブ ラックアウトでは起こらない。何故な ら、その二つのスキルには連携で きる状況がないからだ。プリペア 連携が狙えるスキルで割と簡単な のは、手甲スキルのクイックレイドルやク イックスパイクだな」

 教官が素早く飛び上がり、空 中の何かに向かって両手の指を 組み合わせた拳を打ち下ろす。 そこに誰かがいたなら、強烈な 追撃を貰って床に叩きつけられ たことだろう。

「プリペアスキルは素早い動作が要 求されるので、手甲の系統が得 意とする分野だ。それと、阻害 系に優れる冷気や闇のスキルだな 。他の系統でも上位の複合系統 になれば使えたりするから、訓 練を怠らないことだ。後はそう だな……」

 顎に手をやり少し考える。

「注意すべき点をあげておくか。 まず、連発はできないというこ と。一回の戦闘で同じプリペアを 何度も撃つ事はできないし、短い 時間で別のプリペアを連続して使う こともできない。身体に負担が大 きいからな。それから、自分で 撃ったスキルに即座に自分で連携す ることはできない。これも同じ 理由だな。それと、プリペアは威 力よりも反応速度を重視した技だ 。当然、威力は普通のスキルよりも かなり落ちる。プリペアを使えば簡単 に連携を狙えるわけだが、本当に息 が合った仲間となら普通のスキルで連携 した方が威力は大きい。敵の連携を妨 害する目的での使用ならば非常に有 用だ。ボス戦では特に重要だな」

 ここで何かを思い出したように手を打つ。

「そうそう、レベル3のボスのプリヘ ゚ア連携は確実に潰していけ。アイ スバーグとスプレッドファイアは連携を 起点とする厄介な範囲攻撃だ。 クリップルとブラックアウトをうまく使う んだ。折角だから、ここまで肉 弾一筋で来た者も少しは術式を 学習しておくといいぞ。何しろ あの鬼火には物理攻撃がほとん ど効かないからな。鍛冶屋に頼 んで複合武器を用意しておくの も手だな。鍛冶に関することは 別の講義に任せるが。赤と青で 属性が正反対だから、相手の隊 列を見て、状況に合わせた作戦 をその場で考えるんだ。それと 、敵は突き飛ばしや引き寄せで こちらの隊列を乱してくる。何 度も挑戦し、どのタイミングでその 攻撃がくるかを見極めるんだ。 一度や二度の挑戦で勝てるような 相手ではないぞ。心してかかれ」

 最後はいつものように正面を向いて腕を組む。

「よし、今回はここまでだ」


─End of Scene─


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