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基礎戦術論I


 講義の開始を知らせる鐘が鳴ると 、講師というより教官といった方が 相応《ふさわ》しい筋骨隆々な先生 が教室に入ってきた。

「では、講義を始める。今回は連 携についてだ。敵に対して瞬間的 に大ダメージを与える為には必須と いってもいいテクニックだから、よく聞 いておくように」

 教官は背後の黒板には目もくれず 、腕を胸の前で組んだまま講義を進める。

「実地訓練の各階層の最深部には“試練 の間”があるのは知っているか? 単位が 昇給に必要なだけ貯まっていれば、そこ で昇級試験を受けられる。まあ、要する にボス戦だ。その試験の内容は各階層毎 にあるテーマに沿っている。で、レベル1の試 験のテーマが連携だ」

 ここで教官は初めて黒板に何 か書いた。丸が三つ。その内の 真ん中の一つを塗りつぶす。

「あの狼と既に戦ったことがあ る者なら知っていると思うが、 奴らは統制の取れた行動をする 。一歩引いた後方から指示を出 しているのが、奴らのリーダーだ。リー ダーが吼え声で相手を怯ませ、そこ を狙って他の2匹が一斉に飛び掛っ てくる。あれが連携攻撃だ。怯んで いる状態への追撃だから、ダメージは 普通の状態で受けた場合より大きくなる」

 教官は黒板から離れると、こちらに 向き直り、また腕を組む。

「さて、同じことを我々がする にはどうするか。まずは一緒に 行動する仲間を見つけることだ 。一人じゃ連携もへったくれも ないからな」

 そういうと教官は大きく口を開けて笑った。

「そして、相手を怯ませ る役と追撃する役を決める 。怯ませる奴は素早い奴、 軽装の奴にやらせると良い だろう。追撃する役は重装 で攻撃力の高い武器を使っ ている奴がやるといいぞ。 威力が増すのは追撃の方だ からな。但し、もたもたし ていると敵は立ち直ってし まうからな。息が合ってな いとダメだぞ」

 確かに怯んでいる 相手になら、大振りな攻 撃でも簡単に命中させる ことができそうだ。

「後はどんなスキルを使うかだな。例 えば、簡単な剣スキルのカットダウンなんか は相手を転ばせることができる。そ こに上から打ち下ろすような攻撃、 そうだな、槌スキルのアースブロウなんかを 叩き込んでやれば餅つき連携の完成だ」

 教官は両手で何かを掴んだ ような格好をし、それを頭上 から足元へと勢い良く振り下 ろす。ちょっとした風圧が生 じるほどの勢いだ。

「追撃が可能な技はそれなりに 高い技量を必要とするから、1 年坊主じゃまだ使えんかもしれ ないが。ま、どんな技がどんな 技と連携できるかなんて、色々 試して実践してみろ。その為の 訓練だ」

 教官はまた腕を組んで正面に向き直る。

「実は狼どもはプリペアスキルという更 に高等な技を使っているんだが、 それは別の講義で説明する。今日 はここまでにしておこう」

 ○○は単位1を得た。


─End of Scene─


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