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カリオテ |
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【エルニノにわたす】を選択 「いや、これは――」 「へえ、エルニノにくれて、わたしにはくれないんだ」 セルリアが、ぷっと頬をふくらませる。 モルトは銀製の首飾りをさしだしたまま硬直した。 あはははは、と笑いだす。 「冗談だよ。何か深いわけがあるんでしょ。はい、エルニノ」 セルリアはモルトの手から銀の首飾りを奪いとり、エルニノの首にかけた。 「わあ、ありがとう!」 エルニノは、モルトにプレゼントをもらったのがよほどうれしかったようで、 通りをくるくるまわって歓びを表現した。 エルニノがもどってきて、モルトに指輪をさしだした。 「これは?」 「お礼だよ!」 ☆○○○○は精霊の指輪を手に入れた! ふたたび駆けだそうとするエルニノを、モルトは呼びとめた。 「――エルニノ!」 どうしても、伝えておくべきことがあった。 「エルニノ。その首飾りは、きみの母上に託されたものなんだ」 足が、ぴたりと止まった。エルニノが口をひらく。 「母さまから?」 「そう。人が決して失ってはならないもの――哀しみの心だ」 一行は夏至祭の出店を見物してまわった。 10年間、張りつめっぱなしだったモルトの心も、 すこしだけやわらいだかのようだった。 穏やかな海をみつめるような気持ちで祭りを眺めていると、 セルリアが裾を引いた。 「戦車だよ」 セルリアの指さした方向から、黄金色に飾りたてた、古代の戦車がやってきた。 人々が、わっと歓声をあげる。 古代の太陽神崇拝の名残といわれる、夏至祭の最大のみせもの。 戦車を引くのは馬ではなく、この地方ではめったにみかけない、“ゾウ”という動物だった。 「わぁ、すごい……」 エルニノの両肩に手を置いて、声を失うセルリア。モルトはその肩をそっと抱いた。 「すっかり家族じゃねえか」 リュウシンが茶化した。セルリアがうつむいて、顔を赤らめた。 「セルリア、カメラを貸しな。オレが撮ってやる」 *** 黄金の戦車にみとれる人々のあいだで、突然ざわめきが起きた。 ざわめきの中心は戦車のずっと後方、すこし離れた場所だ。 何がおきているのか、長身のモルトにもよくみえなかった。 「なんだろう?」 エルニノが小首をかしげて駆けだそうとするのを、セルリアが止めて言った。 「わたしがみてくるよ。もしはぐれたら、西門で待ちあわせね」 セルリアはそう言って駆けだそうとする。モルトは―― ─See you Next phase─ |
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