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監獄島へ乗り込む |
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脱走してから何日が経ったのだろう……。 久しぶりに戻った監獄島は、様子を一変させていた。 仲間たちがバリケードを築き、監督者たちに抵抗していたのだ。 夜なのに、工場の中庭ではたくさんの炎がたかれていて、祭りのようだった。 大量の黒煙と、焦げくさいにおいで、僕は思わずむせかえる。 監督者たちは、拡声器で仲間たちを説得していたが、仲間たちの怒号でかき消されていた。 でも、労働者側が不利なのは一目瞭然だった。 労働者側は、統率者の不在であきらかに統制がとれていなかった。 今は、頭数の多さで監督者側を圧倒しているものの、本格的な戦闘になれば、恐怖が覚悟と団結をたやすく揺るがす。 瞬間、固く巨大だった塊は、小さな無数の個に分裂して、一瞬で崩れさるだろう。 その上、監督者たちの背後には、日本軍が控えていた。 丸腰同然の仲間たちを相手に、軍隊の参戦。 資本家と国家は、暴動を口実に、反逆者たちを全滅させるつもりだ。 不足した労働力は、現実の世界から、まかなえばいいのだから。 これが国家権力の本性だ! にらみあう仲間たちと監督者たち。 均衡を破ったのは、日本軍の爆撃だった。 突然の炸裂音が、天地を揺るがし、労働者の戦意を打ち砕く。 とっさに、僕とスズは、“魔法”で光の壁を作り出した。 夜なのに、真昼のような輝き。 仲間たちに降り注ぐ、一面の滝のような光のシャワー。 カリスマの帰還を見せつけるには、恰好のシチュエーション。 仲間たちは、すでに勝利したかのような歓声をあげた。 みんなが、僕たちを待ちわびていたのだ。 スズは、僕の背中を押して、うなずく。 今こそ“アジテーター”として、仲間たちを鼓舞する時だ、と。 僕は、腕をふりあげ、中庭にいる仲間たちへ呼び掛ける。 ─See you Next phase─ 次回6時間更新 【選択肢】 ・まだ決めていない ・風まかせ ・湧き上がる言葉を吐き出す ・思いとどまる |
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