エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集　石盤の丘

狼退治をしませんか?

　めめがねは特別斡旋計画「狼退治をしませんか?」を選択した。
　めめがねとﾃﾚｰｽﾞとの関係値が4消費された。
　　　　　***

　今回ﾃﾚｰｽﾞが出していた特別斡旋計画は、ｻｻﾞﾗﾅ平野に集まるｼｰﾗｳｰﾌの大群に対し、本格攻勢を仕掛ける作戦計画への同行者募集、というものだった。

　この作戦計画は、通常の探求者が個人単位で行う探索計画とは異なる類のもので、計画の指揮を宿木が直接執り、参加する探求者はそれに従って集団で計画を実行するという代物だ。
　作戦計画に参加する探求者は、作戦に対する貢献度によって探求者評価値が加算される。宿木からの直接支援や他の探求者からの援護も得られる為、通常の探索計画よりも安全ではあるが、得られる評価値自体は探索計画と比べると少なめとなる場合が多いようだ。
　要するに、単独での探索計画を遂行する自信の無い者達向けのもの、と言えるだろう。

「で、めめがねちゃんってｻｻﾞﾗﾅ平野のｳｰﾌ退治、探索計画でこなしたことありますよねー?　だから慣れてるだろうし、一緒にどうかなって思ったんですけどー」

　忌種としてはそれなりの強さで知られるが、対処法さえ知っていれば無傷で倒すのも容易い、彼女の言う通り、慣れていれば非常に楽な相手だ。
　めめがねとしてはあまり魅力を感じない内容だったが、契約料などはﾃﾚｰｽﾞが払ってくれる上、担当する役割も途中交代ありの戦線維持と比較的楽そうなものだった為、それならばとめめがねは話に乗ることにした。
　ただ一つ、疑問が残る。
　彼女の戦闘ｽﾀｲﾙとｳｰﾌとの相性は抜群だ。めめがねがそうであるように、ﾃﾚｰｽﾞも狼退治程度の探索計画ならばこなす力はある筈。
　なのに、何故作戦計画に参加するのだろうか。同行者の契約料まで支払って。

「え?　だって、一人で探索計画とか寂しいじゃないですかー」

「…………」

　彼女にとって、探索計画への参加は一人で行うのが基本なのだろうか。

「でも作戦計画なら人一杯いますし、契約料もお安めですからお知り合いも気軽に誘えますし!　これなら誰かを護るっていう守護騎士としてのお役目を存分にこなせるんですよー!」

　取り敢えず、彼女が誰かと行動を共にする事に飢えているのだけは判った。
　　　　　***

　宿木の指示に従い、めめがねとﾃﾚｰｽﾞはｻｻﾞﾗﾅ平野の指定ﾎﾟｲﾝﾄへと移動する。やってきたのは、ｻｻﾞﾗﾅ平野の中央付近に存在する窪地の入り口だ。
　周囲にはめめがね達だけではなく、他の探求者達の姿もある。そして前方には噂に聞いたｳｰﾌ達の大群。100や200では済まない程の狼達が巨大な窪地に集まっている。
　以前受けた探索計画では、狼達がある程度散《ばら》けていたから何とか個人で相手出来たが、こうまで大集団となると、成る程、宿木も作戦計画として探求者集団での討伐作戦を立案したのも頷ける。

「凄い数ですねー。ていうか、狼があんなに一つの場所に集まってて大丈夫なんでしょうか?　肉食ですよね、あれ。餌とかどうしてるんでしょう?」

　そこまでの事情はめめがねには判らなかったが、彼らの食糧事情に問題があるのは、こちらの姿を捉えた狼達の一群が、飢餓を思わせるぎらついた目つきで走ってくる様子から察する事が出来た。
（さて）

　同行する探求者達に目配せしながら、めめがねは武器を構える。
　宿木立案による作戦においてのめめがね達の役割は、陽動と、数減らしである。宿木の調査によると、ｳｰﾌ達がこのような大集団を形成している理由は、彼らのﾘｰﾀﾞｰとなる存在がｳｰﾌ達を統率しているからであるらしい。そのﾘｰﾀﾞｰが何故そんなことを、という所までは調べられてはいないようだが、宿木としては何よりまずｳｰﾌ達の大集団化を何とかしたいようで、今回の作戦計画も、とにかくﾘｰﾀﾞｰ格を倒す事だけを主眼に置いて立案されていた。

　めめがね達は窪地入り口にて真正面から大群と相対し、窪地入り口という地形を利用しながら狼達と戦い、彼らの気を引きつつ数を減らす。
　その間に、別ﾙｰﾄから回り込んだ者達が手薄になったﾘｰﾀﾞｰ格を狙う、というのが基本の作戦だ。

　しかし、報告によれば回り込むための別ﾙｰﾄの道行きが案外と険しく、到着にはかなりの時間が掛かるとの事。
　可能ならば、陽動隊が直接敵ﾘｰﾀﾞｰを叩いても構わないとも言われているが、正直、目の前にいる狼達の数を考えるとその線はまず無いと断言したい所だった。

「それじゃめめがねちゃん、頑張りましょー」

　隣には、元気よく盾をぶんぶんと振るﾃﾚｰｽﾞの姿。これだけの狼を前にして、その声には気負ったところも無く、むしろ喜色さえ覗いている。
　彼女としては、単に誰かを背中に置いて敵の攻撃を弾き返すことさえ出来れば満足なのだろう。

　そうしている間に狼達は距離を詰めて、先行する一群がこちらに飛びかかる姿勢を見せる。ﾃﾚｰｽﾞが一歩前へと踏み込む様子を横目で見ながら、めめがねは構えた武器に力を込めた。

　　　　　***

従軍の洗礼(たぶん強そう)が現れた!
[敵出現]

─See you Next phase─