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保健室

『保健室へ』選択

 静かに鍵をあけて、そろそろと少しだけドアを開く。
 すきまに首を突き入れて室内の様子をうかがう。

「誰もいないみたいだ」

 あなたが小声で告げると、ドクター・ヘルマーチンが足下をすり抜けて中に姿を消した。
 ドアを大きく開き、あなたとトモキも後に続く。

「で、どうするんだ、ここで?」
「なにか使えそうなものはないかな。薬とか……」

 あなたは壁際に置かれた、スチール製の棚のところへ向かった。
 ガラス扉のなかに並んだビンを調べていると、となりの机の上からヘルマーチンが声をかけた。



「風邪薬や胃薬、頭痛薬なんか持っていっても仕方ないぞ。 言うまでもないが、そんなものは連中に効かないからな。 絆創膏や包帯、消毒薬、鎮痛剤なんかを探せ」
「わかった。確かにこの状況じゃ、救急車は呼んでも来てくれなさそうだし……」

〇〇〇は石化解除薬を手に入れた!
×××は解毒薬を手に入れた!
△△△は石化解除薬を手に入れた!

「なあ、〇〇〇、他の連中は、どうしたかな? なんとか、 うまく逃げられたと思うか?」

 問いかけたトモキに背を向けたまま、棚を物色しながらあなたは答えた。

「逃げるって、どこに? 藪谷の言ってたとおりだ。 逃げるとこなんて、どこにもない。オレたちは、 ここから出られない。閉じ込められたんだよ」
「くそっ! なあ、ヘルマーチン、あいつらをやっつける秘密兵器とか持ってないのかよ?」
「そんなものがあれば苦労はない。誰も、わざわざお前たちに協力など求めるか」
「ああ、そりゃそうだな。だけど……、あんた、なんでオレたち人間に味方するんだ?」

「人間の味方なんかしていない。俺はただ蒼を助けようとしてるだけだ。そして蒼は、朱鳥とケリをつけようとしている」
「身もフタもないな、まった……」

 その時、廊下をバタバタと足音がやってきて、 バン! とドアが大きく鳴った。
 あなたたちは一斉にドアの方に振り向いた。

「誰か、誰かいるの!? 助けて! 開けて! お願いッ!」
「オリハラ!? オリハラか!」

 あなたはドアのところへ走った。

「無事だったのか!?」
「開けて! はやく! ヤツらが……!」
「わかった! 待ってろ、いますぐ……」
「待て!」

 ロックをはずそうとするあなたの肩を、背後からトモキの手がおさえた。

「なんだ? 待てって、どういう……?」
「ドアの向こうにいるのは、ほんとにオリハラなのか? いや……、まだ、オリハラなのか?」

 あなたはぎょっとして、トモキの顔をみつめた。

「どうしたの!? はやく! はやく開けて! ヤツらがくる!」

 ドアの向こうから、必死の叫びが聞こえてくる。
 あなたはトモキの視線から目を引き離すと、 息を殺してじっとドアを凝視した。
 バンバンとドアが強く叩かれる。

「なにしてるの!? 開けて! はやくッ!」

 ドアをはさんで向こうにいるのは、 はたして自分たちが知っている、これまでどおりのオリハラなのか、 それとも……?


「どうする、〇〇〇?」
「くる! ヤツらがくる!! 開けてッ! お願い!!」

 あなたは、ごくりとつばを飲み込むと、それから………

─See you Next phase─

次回行動選択

まだ決めていない
風まかせ
ドアを開ける
ドアを開けない




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